2009年 01月 08日

近くて遠い国

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今年の新年はスペイン、バレンシア地方の海辺の町にて迎えた。
クリスマスをイタリアや日本以外の国にて過ごしたのは久々である。
バレンシア地方はオレンジの畑が土地の多くを占めるようなオレンジ原産地である。
故に気候も温暖。
コスタ・ブランカとして有名な海岸線に点々と配された多くの都市はバレンシアと並んで圏を作るアリカンテまで続く。
トスカーナの海とちょうど対岸にあるコスタ・ブランカの海岸線。
日没を海で望めない寂しさがややあるものの、椰子の木が路上を飾る南国風景、永遠と続くオレンジ畑とそそり立つ険しい山との対象はトスカーナの海岸の町とはまたひと味違ったダイナミックで荒削りの圧倒的なパノラマである。
バレンシアはマドリッドで話すいわゆる標準語のスペイン語であるカスティリアーノ
語以外にバレンシアーノを話す。街角の表示も2種類混じり合う。かなりややこしい。

スペインというのはイタリアとどこか近しいイメージがある。
どちらも地中海性、太陽あふれる南の国のイメージ。言語も近いところがある。
しかしいつもながら感じるスペインとイタリアの違いを今回も再確認した。
というより私の知るトスカーナ人との違いと言った方が良いだろう。
スペイン人は何と言ったら良いのだろう。
生き方がまじめである。日本的な細やかさがある。
人柄が素朴でもっと荒削り、そして他人に対して親切である。
反対にトスカーナ人独特のユーモアまじりの皮肉はたぶん通じないだろう。
スペインはやはり闘牛のある国である。死が生活の裏にあるような根源的な
生き方をしているように見える。
一日を100%使って謳歌している。
朝は結構早いのにお昼は2:00をまわってやっと昼食が始まる感じ。
食べ終わるのは4:00過ぎであろう。この時間帯に町をうろうろすると
スペイン人は何処へというほど深閑としている。
夕方6:00頃になってやっと人影が現れ出す。それまではたぶんシエスタ。
夕食は10:00から食前酒。深夜からやっと夕食などという風景は
珍しくない。朝の4時5時まで元気で遊んでいる若者達。昼寝の効果だろう。

特に感心したのはスーパーマーケットや市場の充実。滞在していた港町にいくつあっただろう。いずれも清潔、整然として食品種類も整っている都会のスーパーである。
また小さな町でも必ず市長舍があり、小学校、中学校がある。医療センターやCasa de Culturaと呼ばれる文化センターがある。
小さい核に市民の必要とする施設がすべて完備しているのである。
そして何よりもイタリアより物価が安い。トスカーナではほぼ手の届かない存在となった新鮮な魚介類をどれだけ食べたことか。

普通の庶民がまだまだ生きる余地がある。発言権を持っている。
イタリアによく見られる周りを構わず携帯電話をかけまくり、大型車を乗り回すような成金的な輩が大変少ない。これは現在の首相のベルルスコーニの影響大であろう。
成金文化の権化のような存在だから。
まだまだ質素な生活が報われるような人間的な生き方ができる国である。

スペインでの2週間の滞在にて20年前の良きイタリアを思いだした。



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by jamartetrusco | 2009-01-08 00:10 | Viaggio(旅)


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