トスカーナ 「進行中」 In Corso d'Opera

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2009年 01月 25日

ミクロ彫刻

芸術性如何の問題は別としてこの世の中で一番小さなミクロ彫刻を作る人物がいるのを知った。
英国バーミンガム生まれのWillard Wigan 、ウィラード・ウィガン(1957生)。
つい最近完成したオバマ大統領家族を象った彫刻があるが、彼ら4人が立っているのは針の穴の中。要するにそのぐらい小さいのである。
アフロ系の英国人としてアフロ系のアメリカ大統領が生まれたという歴史的事実に敬意を表しての作品である。
彼はすでに過去にさまざまなミクロ彫刻を制作している。
考える人、キング・コング、拳闘家のモハメッド・アリの試合の模様、自由の女神、ヘンリ−8世と6人の妻、まだまだ数えきれないぐらいの針の穴や釘の頭、ピンの上の世界を創造している。彫るのは砂の粒の一部とか埃ファイバー。絵筆は蠅の背の毛だそうだ。もちろん顕微鏡を使っての制作。
そしてこれだけ小さな世界を取り組むのにまず必要なのは自分の体の完璧なるコントロールと集中力。心臓の鼓動を低下させ、心臓の鼓動と鼓動の合間に彫るのだそうだ。
神経を完璧に制御しなければ指が一瞬震えただけで彫刻は破壊されてしまうのだから。
この世で一番忍耐力のある作家であろうと自称。納得する。
超人的なこの人のまるでヨガの長者のような制作姿勢を読んでいて人間の可能性の偉大を思う。
小さいときに識字障害であったことから誰にも見えない世界を独自で築き上げることに心が向き、小さな虫の家などを造り出したという。そして自分を矮小に扱う先生に対して「何もない、という事自体存在しない」ことを示すために始めたのミクロ彫刻の世界。自然科学者が宇宙の広大さを知ろうとするのであればこの人の秀でた才はどこまで小さい世界を作り出せるかの追求であろう。
米粒に絵を描くということにも感心していたがこの人の超自然的能力はそれを遥かに越えている。
人間の本能的な「大きいこと」「高いこと」への願望と対照的に明らかに存在するミクロ宇宙の追求。小さいものも大きいものと同じ力がある。
展覧会では展示品はすべて顕微鏡の下にて識別可能である。
いろいろなアーティストがいるものである。

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by jamartetrusco | 2009-01-25 00:22 | Arte (芸術)


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