2009年 01月 29日
フィレンツェ風ビーフステーキ、別名、ティーポーン・ステーキとも呼ばれる骨付きの 牛肉の切り方である。この地では4〜5cmの分厚い肉片で外側は炭火にて一気に肉汁を封印して中は好みによって半生のレアー状態にて仕上げる。日本の霜降りのビーフのようなとろけるような柔らかさはないが肉を噛み締めたときの味わいは真に肉を堪能するという醍醐味がある。このような切り方はフィレンツェ特有のようで、故にその名もBistecca alla Fiorentina、フィレンツェ風ビーフステーキと呼ばれる。イタリアの他の地域から来た観光客も好んで食べたがるのは彼らの地では肉屋さんに行ってもこのような切り方のビーフがないからである。 地方地方によって肉のさばき方も異なるのはイタリアならではの面白みである。 私自身も特に肉がなければ生きられないというような肉食動物ではないが、この地に来てからときどき無性にこのビステッカが食べたくなる。なにしろ肉100%、混じりけもなにもないキアイーナの肉を上手に炭火焼きしたこの皿はしつこいソースで味付けした料理とか塩っぽい料理とか、そういった危険性は全くない純な味である。 肉という存在を真に謳歌する料理である。素材としての肉がまずくては話しにならない。 トスカーナの肉の色は瑞々しく赤い。日本人としては魚の新鮮味はなによりも大切だが、肉にも新鮮という言葉が当てはまると思ったのはこの地に来てからである。 血の滴るような赤い肉片。どんよりとした赤、黒っぽい赤、やや茶系の赤であったりするとやや時の経った肉であるのが一目瞭然である。 肉食人種の感覚に近づきつつあるのか、肉片の美しさも実感するこの頃である。
by jamartetrusco
| 2009-01-29 00:23
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