トスカーナ 「進行中」 In Corso d'Opera

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2009年 05月 12日

スタジオにて

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待ちに待った初夏のような快晴の週末。これでこそイタリアの日差しである。
5月の天気の良い日のイタリアは本当に気持ちがすかっとする。
そしてこの週末に前から訪れたいと思っていた作家のスタジオに行くことができた。
以前に紹介したグラツィアーノのスタジオである。
サンタアルカンジェロ・デ・ロマーニャというアドリア海側の町リミニの近くにある
城塞の町である。建物や通りに使われる煉瓦の色が薄いピンクがかったようなオレンジ
であるので、トスカーナの町並みとまたひとつ趣きの違う様相である。町のもっとも高い
城塞のそばにある高い鐘楼が一際目立つ。

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グラツィアーノのスタジオはこの町から15分ぐらい車で行った周りは緑の平地地帯に
あった。もともと製粉工場だったという建物跡を改装、そこに現代建築家による追加建築
を増築した総合空間。空間を使用するのは建築事務所や洋服デザイナーなど創造に関わる
人々である。そしてその一角にグラツィアーノのロフトがある。

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グラツィアーノとはメイルのやり取りを通してしか交流していなかったので実際に会うまで
ややどきどきしたが、実際の人物も物腰柔らかく知的な人であった。
プレゼントしてもらったカタログにある作品の多くは人手に渡ってもうほとんど手元にないので
スタジオにて見ることができる作品はあまりない。
ただ入った瞬間にびっくりした彫刻のプロトタイプー豚の頭。
色々な表情のある豚ですべて頭部だけの彫刻である。彫刻というより合成繊維かゴムのような
素材によりできている柔らかい物体である。これに漆喰をつけて堅い彫刻にするらしい。
ラベンナのアカデミアにて彫刻を教えているのでプロトタイプは生徒達に手伝ってもらっている。
袋一杯につめられた豚の頭部。制作の途中なので写真は控えた。
最終的には大きなモニュメントになるようである。完成したら是非みてみたい。

突き詰めるところまで消去していってミニマルに辿りついた瞬間にどこか戸惑いを感じ
そしてまた具体的な「もの」を作る段階に入っていった、と話すグラツィアーノの言葉を聞いて
ああ、どの作家もやはり同じなのだな、と思った。
サラミやビステッカを描き始めたアレと豚の頭のグラツィアーノの全く異なるもののどこかイタリアに根ざした血と源泉の共通性を感じざるを得ない。

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by jamartetrusco | 2009-05-12 02:29 | Paese (土地柄)


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