トスカーナ 「進行中」 In Corso d'Opera

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2009年 05月 20日

パリ展

アレッサンドロ・ヌティーニのパリ展のご案内。

いつもながら友人のエルダ・トレスに簡単な紹介文を書いてもらった。


展覧会はいわゆるcarta pagliaの上に描かれた数多くの作品群から成る。
その仕事はアレッサンドロ・ヌティーニの制作の様々な側面や行程をそのまま語るものである。トスカーナ出身のこの作家はその形成期に様々な源から影響を受けている。フィレンツェの職人工房にて絵画や修復の隠された伝統技法を学んだ後、ニューヨークへと向かい、その旅の行程中カリブ海の諸国訪問時に独特の色彩豊かな絵画様式を吸収し、帰国後フィレンツェの美術院にて学び、さらにその後日本の美術と出会う。展示作品を特色付けるのは通常包み紙に使われ藁半紙の使用である。その主題に一貫して流れるのは現代に必要のなくなった物を忘却から救出しようとする「記憶の抵抗」である。藁半紙は過去にはパンや食べ物を包む日常使用のものである。この10年間のシリーズ制作、「茶碗」、「小石」、「壁」、「器」の根幹と成る習作としての紙作品。日常のオブジェ、幾何学形、トスカーナの職人の手による寡黙な壁や石、象徴性の強いオブジェである茶碗や器、これらの内包する超越的美への思い入れ。一見して無意味に見えるがそれらなくしては全体や宇宙は存在し得ない「ミクロコスモ」や「欠片」へ作家の目線は向く。完結と未完、素材と非素材、作家がもつ智慧の密義性が公にされるその瞬間、これらすべてが合わさってさらなる「自然」と「作為」という2元性へと昇華される。


2009年6月9日〜6月20日まで。

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by jamartetrusco | 2009-05-20 18:17 | Arte di Ale(アレのアート)


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