トスカーナ 「進行中」 In Corso d'Opera

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2009年 09月 09日

夏の終わり

残暑が厳しかった今年の夏もいよいよ終わりを迎えそうなこの数日の秋の気配。
今年の8月は本当に暑かった。とくに半ばから後半にかけて。20数年ぶりの暑さと聞く。
石造りのこの家は夏でも夜になるとややひんやりとして寝苦しいということはめったに
ない。しかしこの8月は毎晩日本の熱帯夜を思い出すような暑さでシーツ一枚もかけていら
れないほどだった。
久々に我が町にずっと滞在する今年の夏。日本からも多くの友人達が訪れて、住み慣れて
目新しくなくなったこの土地の良さをもう一度再発見させてくれる機会ともなった。
住めば都という言葉もあるが、隣の芝生は青いという言葉もあるように、住めば住む程、
馴れ合いもあり、他の場所が良いような気がしてくるものである。
時々この地を初めて訪れる仲間とともにもう一度自分の住処を見直すことは大事である。
ずっと登っていなかった目の前の小山モンテ・ゴンツィにも3回登った。昔はときどき
季節ごとに登っていたものである。そして散歩の終盤に飲む湧き水の美味しさ。
これも久々の味わいである。
すべてが友人達のおかげで新鮮な体験となった。

そして今年の新たなる発見はヤモリの家族である。
真夏の長い夕べを過ごすテラスの壁の灯りの光とともに現れる神秘的な生き物。
イタリア語ではgecoと呼ばれる。やもりの漢字は「家守」と思っていたら「守宮」と書くことが
わかり、なんとなく納得。家を守り神、という伝説があるが、宮を守る、というほうが神聖な感じがする。この夏、夕食後に灯りをともすとどこからともなく出現する4匹のいもりたち。
一番大きいのは父親だろうか、中ぐらいの母親、そして子供の小さい2匹、勝手に家族と決めた。
毎晩顔をだしてそして灯りにたかる小さな虫や蛾を食べるその素早い動き。
なんとなくこちらの様子を伺っているかのような視線。毎日出てくるとほっとする。一匹でも欠けていると、さてどうしたものか、と心配になる。
9月4日の満月を境に急に涼しくなった朝夕。夕べをテラスで過ごすこともなくなったためもあり、やもり一家との対面もあまりない。というより一家も冬に備えて暖かい住処に移住したのかもしれない。
夏の象徴のようなやもりが夢のごとく消えた跡、それは秋の訪れを語っているのだろう。
一抹のメランコリーをともなって。

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by jamartetrusco | 2009-09-09 21:32 | Vita (人生)


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