トスカーナ 「進行中」 In Corso d'Opera

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2009年 09月 24日

物語のあるオブジェ

 Telling Talesという楽しい展覧会がロンドンの工芸装飾美術館であるヴィクトリア・アンド・アルバート美術館にて開催されている。家具、照明など日常に使われる機能のある形体が展示物であるのだが、それぞれの物体はさまざまなデザイナーの思いのままの物語が繰り広げられひとつの不思議なオブジェとなっている。
機能はほぼ無視したものもあるのだが、思いがけない素材の使用やシュールリアルなオブジェとしての家具などみていて飽きない。Telling Talesという展覧会の題名の通り、物語のある家具達である。副題も面白い。「現代デザインにある空想と悪夢」 そして3つのセクションに分かれた展示室。第一室はForest Glade, 森の奥深く、妖精世界を喚起させるような自然や空想風景、第二室はEnchanted Castle, 魔法にかかった城、歴史的なデザイン様式の誇張やパロディー、そして最後の部屋はHeaven and Hell, 天国と地獄、文字通り人間が避けることのできない死と死後の世界。
森にうごめく妖精達の悪戯か、天国へつながる階段か地獄へ導く扉か。そんな想像力を駆り立てる展覧会のコンセプト。デザインという分野の地平線の広がりを感じる。
デザイナーの生まれを見るとかなりの割合がオランダやベルギーのデザイナー。
彼の地の伝統がシュールリアルな表現に長けているのかとも思う。ベルギーと言えばボッシュから
始まり、アンソール、マグリット、デルボーなどシュールリアルな表現を好む作家が多くいるようだ。オランダは思い起こすのはエッシャーぐらい。しかしフェルメールやレンブラントも自身の精神世界を追求した意味では超現実的な表現とも言える。
この展覧会のサイトの構成もなかなか優れている。展覧会の主旨にあった物語性のあるデザイン。
ひとつひとつの展示物もすべて網羅されている。
子供の持つ想像力と新鮮な驚きをもって創造された奇怪なオブジェ達を前にデザインとアートの統合、ものつくりの面白さ、物語のあるオブジェという新たな一分野の発見を促す展覧会である。

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by jamartetrusco | 2009-09-24 16:38 | Arte (芸術)


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