2009年 12月 14日
ヴァン・デル・グラーフ・ジェネレーター(VDGG)のヴォーカリストであり、今ではソロ活動にて 音楽を生き続けるピーター・ハミルのコンサートがフィレンツェの美しい劇場、Teatro della Pelgolaにて昨日行われた。ソロのコンサートを見るのはロンドンでの過去2回に続いて 3回目。ロンドンで見たコンサートに比べて、フィレンツェの劇場はあまり大きくなく、また観客数も限られており、まじかにハミルのピアノとギターの語り弾きを堪能した。絞り出したような声のハミル節と力強く、情感溢れるピアノの調べとの極致をこんなにまじかに味わうことができたのは嬉しい限りである。イタリアにはVDGGとハミルの熱狂的なファンがいて、以前リヴォルノそばで見たVDGGのコンサートに来ていたファンがいるのだろうな、と思いながら来ている人々を見回した。ハミルの音楽を愛するのは圧倒的に男性が多い。それも50代以上の。彼の作り出す音が男性の詩情に訴えるのだろうか。VDGGの活躍した70年代前半、その後のVDGGの解散を嘆き、しかしその後のハミルのソロ活動をずっと追い続けてきたファンばかりである。 そして必ず見かけるのは父親の情熱を受け継いだのか、それとも嫌々か、子供を引き連れている50代ぐらいのお父さんというタイプの観客。男女のカップルの場合もファンである彼に彼女が同行しているに違いない。後は圧倒的に一人で来ている男性の観客。VDGGのコンサートには場所も遠かったのでアレと娘も無理に連れていったのだが、今回は一人で。私のように女性一人で来ているのはほとんどみかけない。そのうち娘を感化してともに見れたら嬉しいのだが。 ハミルの音楽は詩と生の声とピアノやギターという楽器の3つの要素が劇的なバランスを持って 昇華していく。天上へ向かって上昇する「音の魂」の昇華のようである。 単調と長調が微妙に変化し、低音と高音が突然と入れ替わり、次の音階へと展開する。 一般的な美しいメロディーという範疇で判断できない「きわどい美」を持っている。 だから素晴らしい。ぞくぞくするエネルギー源がある。劇的である。 2回のアンコールを終えて、Alla prossima! 「また次回に!」という締めくくりの言葉を聞いて さて次はいつ来てくれるか、と今から次のコンサートが待ち遠しい。
by jamartetrusco
| 2009-12-14 19:56
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