2006年 03月 23日

エトルリア魂

アレの作家としての原点は彼の精神のよりどころとなるエトルリア・ルーツのようです。
エトルリア文明は紀元前8世紀から4世紀に興隆したローマ帝国以前の大文明です。現在のトスカーナ、ウンブリア地方がその中心です。最終的にはローマ帝国に併合されてしまいますが、かれらの持つ鉄や建築の技術がローマ帝国の後の繁栄に繋がっているとも言えます。エトルリア人がどこから来たのか未だ解明されていませんが(一説には小アジア、またはロシアの方面など)、独自の文字と宗教を持ち、死後を重んじるエジプトと同じく古墳のような墓や人物を象った棺など残っており、現在でもその神秘性をうかがい知ることができます。


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アレ曰く、このエトルリアのルーツはトスカーナの土地、文化に脈々と生きており、バッカスの神をたたえ、肝臓(fegato)にて運命を占うエトルリアのSacerdote(神坐のようなもの)の根源が自分の中にも感じられるようです。カトリックの教会が建っている場所の下にはそのようなエトルリアの神殿があったというのです。15世紀に開花するフィレンツェのルネッサンス文化もそのようなルーツがあったからこそ、生まれたものだそうです。確かにカトリック精神に被われた中世から、それ以前の太陽神を讃える古代ギリシャの再生を目指したルネサッンスの興隆という背景にはエトルリアの魂が流れているに違いありません。 



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私が初めて会った頃のアレッサンドロの絵画は主にエトルリアを主題としたものが多く、そのほとんどは象徴的な人物像を扱っていました。その後私との出会いにより日本の文化にも触れ日本を何回も訪れることにより、表現言語がかなり変わってきたようです。エトルリアの神秘性が創作の源泉になっていることは今でもかわりませんが、表現がより抽象化してきました。
今では、エトルリア人物そのものを表すのでなく、この土地にいつからか存在する石壁や土、石、砂など目に見えているがそれ自体がかなり「本質的」なものを主題にしています。

「見えるもの」と「見えざるもの」の融合と言えるような表現です。



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by jamartetrusco | 2006-03-23 19:10 | Arte di Ale(アレのアート)


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