2010年 09月 28日

アレの中の風景画

今回の京都での展覧会にて思いがけずに見る方に興味を持って頂いたのが
去年の夏以降手がけている風景画である。いつもの黄紙に油彩の作品で最新作の
一部紹介のつもりで黒のファイルにいれて持参した。
風景画というジャンルは最もわかりやすいイメージであり、下手をすると月並みになり
かねない。アレが風景画を描き出したのは去年の6月パリでの個展を終えて、これから
何を描いて良いものか困惑していた頃である。夏の間、友人達と過ごした心地よい時間。
なにやらもやもやした気持ちで互いにこれからの生き方をどうすれば良いか
かなり語り合った時期でもある。行き詰まりの袋小路の心境。描くもののインスピレーション
が枯渇する。そんな中でトスカーナの色、土、風景を素直に表したらどうか、風景画なら
この地を訪れる観光客の人々にも興味を持ってもらえる(そして販売にもつながる?)
かも、と半ば自暴自棄の気持ちで描き出したのである。結局は地元で展覧会をやるつもり
が、その意図もいつの間にか消えていき、残った作品は風景画というより心象風景、アレの
中で昇華されたトスカーナの色と風土の結晶となった。
追いつめられると出てくるエネルギーなのか、それとも無心になるということの大事か、
このとき出てきた風景画は感性の鋭いものが多い。とりわけ紙油彩の作品の中に。
京都にてこれらの風景画への反応が良かったのも今までになく制作することへの直裁な
気持ちから出てきた表現であったからだろうか。画面に意味を問いかける必要のない
風景というジャンルの中に作家独自の精神性が滲み出るからであろうか。

この風景画群で来年大阪の画廊で個展が決まった。心から喜びを感じる。


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by jamartetrusco | 2010-09-28 16:02 | Arte di Ale(アレのアート)


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