2011年 02月 27日
このところ日本でもイタリアの首相の女性がらみの事件の発覚は時々報道されて苦笑いを 誘っているに違いない。 以前から不適当な発言や行動をしては(オバマ大統領が就任した際に彼が良く日焼けしている、 などと言ってみたり、またドイツ首相の頭に手でイタリア独特の馬鹿にした意図を含む コルノの仕草を掲げてみたり)その都度国内外からの批判で話題をさらっていたこの首相。 私的な立場の人物の行動ならいざしらず、ベルルスコーニ氏は一国の首相である。 その立場でして良いこととしていけないことぐらい、子供でもわかるというものだ。 イタリアの美女ばかり大好きなショービニスト、騒々しい悪ガキぶりをまさに代表するある意味では イタリアのひとつの典型的人物像を顕す人である。 ウォーター・ゲートに因んでルービー・ゲートと呼ばれるこのたびの首相の失態はもう言い訳の 余地なく辞任すべき状況であるにも関わらず。 発端はルービー・ルーバクオーレ(心を奪うルービー)という芸名(?)を持つ名目上はベリーダンサーの 女性。首相が他の近しいメディア界の仲間達とともに開催した自宅豪邸でのブンガ・ブンガ・パーティー に呼ばれた女性群のひとりで、首相をパーピ(お父さん)と呼ぶ間柄であり、その彼女が盗みかなにか の別件で警察に捕まった際に首相があわてて自ら警察所長に電話し、彼女はエジプトのムバラク大統領 (今では元)の姪である、と全くの嘘を述べて無理矢理に釈放。 その他様々なスキャンダルが発覚して現在4月の裁判に向けて待機しているという状況である。 問題はこのルービーがパーティーに参加していたときは未成年の17歳であったという事実である。 ムバラク大統領をだしにしてのこの浅はかな行動。しかし、その後のエジプトでの反対派のデモ ついには革命的と言える大統領辞任をまるで引き起こしたかのような皮肉な結果となっている、 さらに我が首相の驚きは、今緊迫した内戦状況であるリビアのゲダフィ大佐をつい6ヶ月程前に 国賓で招き、その際に自宅豪邸へハーレムのごとく群がる多くの女性達とともに招待していることだ。 挨拶の際に大佐の手にキスをするというなんともそぐわない行為もしている。 こんなにまでして大佐に思い入れていたイタリア首相が今回の内戦の際に支持せずに反対派の 列に加わったとしてゲダフィ大佐のイタリアへの憎悪は格別だ。 イタリア首相が関わると、どの国もヒックリかえるかに見える。 そして北アフリカのこの革命的政変により放出する移民がまず海伝いに辿り着くのがイタリアである。 何十万という数にも昇るかもしれない移民へ備えてイタリアだけでは対処できない、ヨーロッパ 共同体への協力を仰ぐイタリア。しかしEUはこのお笑いのような首相が国を率いる限り 本当の意味での協力は渋るのでは、とさえ思えるのである。 イタリアの政治への不信感はこの首相の存続如何に関わっているようである。 この数日の首相。ついに最後のあがきとばかり反撃に出た。首相主宰のブンガ・ブンガ・パーティー で有名になったセックスに絡んだBunga bungaの笑い話し。この数日の党大会の席で首相自ら 「みんなでブンガ・ブンガしようではないか!」と笑い叫んだのである。 まるで先日のゲダフィ大佐が支持者に向かって「皆食べて飲んで踊りたまえ!」と言ったのと同じ エネルギーを持って。 そしてそれに大きく賛同する党支持者達。 恐ろしいのはこの首相、今回の騒ぎで辞任しないのであれば、次の選挙でも大多数をとるかもしれない 指示者達がいるのである。 イタリアは一体どうなっているの?
by jamartetrusco
| 2011-02-27 18:22
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