2011年 12月 30日
人間は本質的に暗闇が好きである。 そして暗闇を灯す光に憧憬を抱く。 真っ暗な洞窟や穴蔵とか、太古、人を含めて すべての生き物が住処としていたような囲われた 暗がりに安心感を覚える。そして暗闇の先にある 光を求める。 ジョン・マーティンという英国の19世紀の幻想ロマンティック風景画家が 残した17世紀のジョン・ミルトンが著した叙情詩「失楽園」のメゾティントの 挿絵本がある。 その中のひとつ、Bridge over chaosー混沌にかかる橋。 まさにミルトンの格言の一節そのままのようだ。 「私たちに与えられた光は、ただじっとそれを見つめているためではなく、 それによってまだ私たちから隠されているところの、遠い先のものを開けて 見るために、与えられているのだ。 」 ロンドンにて見たジョン・マーティンの絵画を一同にまとめた展覧会。 Tate Britainにて開催中。 キッチュ寸前のパノラミックな風景歴史画。 「黙示録」の中の天地が上下に転倒するかのような混沌。 多くある展示作品の中でとりわけ惹かれたのがこの小さなメゾティントの 白黒の挿絵である。私の夢の記憶にあるような風景である。 さて来年は暗闇を抜けて差し込む一筋の光が訪れるのだろうか。
by jamartetrusco
| 2011-12-30 01:34
| Arte (芸術)
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