2012年 01月 10日

満月讃歌

満月の夜はいつもそわそわ、どきどきする。今夜は月が見られる快晴の夜空かしら、と気になるから。
満月が来るとその次の日から少し天候が変わることが多い。また生き物にも影響があるようで、
私の場合は眠りが浅くなる気がする。たぶん生き物のどこかの神経やホルモンを刺激するに違いない。
満月には様々な伝説がまつわる。満月の夜に変身する狼男。月に映るお餅をつく兎。
「月桂樹」という文字に暗喩されるように、中国の伝説では月に見えるのは仙人になろうとした呉剛が
永遠に切り倒すことの不可能な桂の樹を切ろうとする姿であると言われている。
または蝦蟇の斑点とも。永遠に樹を切る男の姿はグロテスクな感じのイメージだが。
このように人間の精神史に深く関わってきた月。空を仰ぐ私たちの想像力を強く促す月。

イタリア語(ラテン語)では月はlunaと言う。Lunatico と言うと気が狂った、またはエキセントリックな
という意味である。満月の下では人間は狂気に走る、という西欧の長年の伝説から生まれた表現であろう。
そういえばハリーポッターに登場するちょっと不可思議な女の子がルーナと呼ばれていたのもここに由来
するのだろう。
ところでイタリアの往年の人気女性歌手ミーナの1959年の最初の大ヒット曲にTintarella di Luna
(月焼け)という歌がある。Tintarellaという言葉は普通太陽の日焼けに使う言葉だが、その言葉を月に
使っているのがみそ。50年代終わりのロックンロール調の軽快な旋律は月が映し出すイメージと
やや違うものの、夏に日焼けをするのが命のようなイタリア人なので、その中で月焼け美人を讃える
歌詞が新鮮で面白い。

Tintarella di luna, 月焼け
tintarella color latte ミルク色の月焼け
che fa bianca la tua pelle 肌を真っ白に染める
ti fa bella tra le belle   貴女を美女の中の美女に見せる
e se c'é la luna piena   満月の時は
tu diventi candida.    貴女は純白になる
こんなフレーズが続く。

満月の下では実にすべてがくっきりと銀白色に輝くようだ。

今年初めての満月、1月9日の夕刻の月。神々しい光を放って遠方の山並みを超えて夜空へと昇った。
やや雲がかかり、枯れた木の枝の背後の満月はその美しさと幻想性を増しているように見えた。

1月9日の18:50、モンテフィオラーレのテラスより。

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by jamartetrusco | 2012-01-10 23:23 | Natura (自然)


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