2012年 07月 01日

手と手のかたちー残照

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フィレンツェ近郊モンテルーポは焼き物の街として古くから栄え、ルネサンス最盛期のイタリアはもとよりヨーロッパにおいても最も重要なマヨリカ生産地のひとつである。技法ではブルーを下地に緑の装飾を施したもの、また物語を描くいわゆる「マヨリカ・イストリアータ」などで有名である。
今年で20回目となる焼き物祭、美術館では様々な歴史的焼き物や現代陶芸の展覧会が開催され、通りにはブースが設置されて展示販売や焼き物作り実践などもあり、6月23日より7月1日までの丸一週間、街中が焼き物尽くしになる時。
今年は例外的猛暑の6月末、そしてヨーロッピアン・サッカー試合、EURO 2012でイタリアが思いがけずファイナルまで残ってしまってやや人の出は少ないかもしれない。

今回の祭り、この暑い中訪れたひとつの理由は日本の陶芸家の塩谷良太さんが展覧会を開催しているからだ。塩谷さんは平成23年度の文化庁新進芸術家海外派遣研修員としてフィレンツェの国立美術学院に在籍しながら制作を追求しておられる。最近のプロジェクトとしての「ひとてま」—人、手、間。
氏のホームページの言葉によると、「握手をする時にみずかきとみずかきの間に粘土を挟みます、「ひとてま」はそうして出来た握手の跡です」。
震災の後、被害を受けた街の人々とその方々が避難していた街の人々との出会いと絆を記憶する握手の印として生まれたひとたまプロジェクト。フィレンツェにて、またモンテルーポにても引き続き行われている人と人の握手のかたち。どんどんと増えていく小さな有機的な人の手の残照。私たちももちろん参加する光栄を得た。

このプロジェクトの他にもうひとつ氏が試みたのはモンテルーポの高台にある13世紀初期に建てられたロマネスク様式の教会内ののインスタレーション。やはり肢体に土を押し付けることによって生まれた人の形の断章—具合—物質と記憶—というタイトルがつけられている。朽ち果てたフレスコ画の美しい面影の残った質素な教会内の静寂な空間の中に置かれたこれらの焼き物のオブジェ。
教会の数世紀に渡る歴史とともに生きてきた多くの人々の祈りの結晶がこののインスタレーションを通じて土の欠片として象徴的に表出したかのようなである。

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by jamartetrusco | 2012-07-01 21:19 | Arte (芸術)


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