2012年 11月 09日
久々にアレの彫刻熱に火がついたようである。10月に参加したSAMでのイベントは 11月もあるというのでせっかく並べた彫刻群、この機会にそのまま展示を続けることにした。 スタジオの暗い片隅に静かに眠っていた彫刻達は初めて公然に晒されて、人々の視線を 浴びることにより、こつ然とその存在感を高めたようかに見える。 色々な職人、工芸家達が集まるセンターであるので木の彫刻への関心はことさらに 強いようである。今回のイベントではまだこれから彫り込みに入るオリーブの根っ子を持参して 制作実演をすることにしたので、なおさらのことである。 今回の展覧会で木に対する思いが強い人が予想以上に多いことがわかった。 石の文化であるイタリアであるのに、木という素材への愛着が深いことが人々の言葉から感じられる。 田舎に住んでいると当たり前に手に入る素材としての木の有り難みが再確認できた。 木は買わなければ手に入らないのが都会であるようだ。 アレの彫刻は彫刻家の彫刻ではない。彫刻という分野を美術学校にて学んだ人の技術や 視線はない。故にプリミティブでナイープな部分もあるものの、余計な先入観もないので 新鮮な形が生まれてくる。真の彫刻家であれば絶対に削り落としてしまうかもしれない 部分を残してしまう危なげさと大胆さ。はじめにアイディアがあり形が生まれるのではなく はじめに木の形ありき、その形を木の神髄にそって発見していく。 何かの形を作り出そうとして生まれてきたわけでない素直な形。 木の魂を掘り出してくような過程であると言える。本当の彫刻家にしてみればなんと 素朴な、と思われかもしれないが。 この2回に渡る展覧会イベントのおかげでこのところのアレの制作はただただ彫刻のみ。 素材は大家さんが切り倒した杉の木もあれば、ワインを買いにいく農家のセルジョから 譲り受けてきたオリーブの根っ子や独特な黄色味が強いクワの木の大きな片。 暖炉にくべるためにセルジョがあらかじめ小さい片にしてあったものをいくつか分けてもらった。 大きなオリーブはまだ運搬不可能なので農家の片隅で作業させてもらっている。 この数日目を見張るような快晴で木の仲間達が勢揃いした。 これからどんな彫刻になっていくのか楽しみである。
by jamartetrusco
| 2012-11-09 01:17
| Arte di Ale(アレのアート)
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