トスカーナ 「進行中」 In Corso d'Opera

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2006年 04月 18日

Vita Fondamentale - 本質のある生活

人間の本来の姿を守りながら過酷ながら感動的な生活をしている友人家族がいる。昨日は彼らを訪ねた。ご主人はイタリア人か、スイス人か、しかし国籍など問う必要のない「彼」である。彼とともに人生を生きることを決めたのは日本人女性。彫刻家であり、版画家であり、陶芸家であり、そして見事な働き手であり、母である人。

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娘とほとんど同年代の息子さんがおられる。ワイルドで繊細で毎日泥だらけになり自然を駆け回る。記憶にある「子供」の姿そのもの。
かれらは有機栽培の農園を二人で支える。また目をみはるのは住む家、工房、納屋などすべてご主人がほんのわずかの友人の力をかりながらほとんど自らの手で築きあげたのだ。もともと古い民家など修復して住める家として世に送り出す仕事をしてきた。だからかれらの住む周りには彼の仕事が多数残っている。60年代のヒッピー世代を体現し、あらゆる経験と苦労とそこから得られる知恵をすべて体に刻印したような、巌のごとき人。


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そんな彼を心から支える彼女は真の意味の制作者である。生活自体がひとつの芸術制作のような。子供に手がかからなくなってきた最近では本来の制作者としての血がむらむらとわいてきて、太い木の幹を彫り上げてすばらしい彫刻にしたり、また銅板画や土の仕事も始めた。
根本的な技術を備えてはいるものの、それ以上の何か素朴で土っぽくて力強い作品を作っている。

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葡萄酒、オリープオイルを始め、やぎのチーズなど自家製である。鶏や七面鳥も飼われていて卵はもちろん、ときどき食肉ともなる。ほとんど自給自足のような生活。四六時中農園をささえる仕事があるので、週末も週日もない。でも思うに休暇、休みという概念は近代の通勤というシステムの中から生まれたものであり、このような本来的な生活に休みなど必要ないのだと思う。毎日を真に「生きる」家族である。

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by jamartetrusco | 2006-04-18 17:08 | Vita (人生)


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