2013年 05月 11日
2005年アレが京都フィレンツェの姉妹都市提携40周年記念のため京都にて 京都の作家の友人と2人展を開催したときに知り合ったN氏。広義のデザイナー。 ひとつの感性を拠点として様々に自身の生活、生き方などのデザインを展開していく 方である。 旅とデザインというテーマで世界のあちこちに旅をしながらその都度の体験と 見たもの、感じたものを集約して制作した作品を展覧会としてまとめておられる。 突然にトスカーナの焼き物の町で絵付けの制作をしたいのだけれど、と連絡が あったのは4月頭ぐらいだっただろうか。 同じ大きさのお皿に滞在中の10日ぐらいの間に絵付けをしたい、どこか良い 工房を探してもらえないか、という連絡。 私は焼き物に関わりがないわけではないが、イタリアの、またトスカーナの焼き物 工房にはあまり通じておらず、さてどうしたものか。まずは焼き物の町である モンテルーポ、またはテラコッタの赤煉瓦で有名なインプルネータ、その辺りの 工房をあたるしかない、と思いながら、知っているところをあたってもそういった 受け入れはあまりしていない、というところばかり。 さて困った、と思っていたら、アレが以前仕事場をともにしたマヨルカ焼きの 制作工場を経営するリッチェリ氏を思い出した。さっそく連絡してもらったが 彼のところは無理、しかし従兄弟は個人工房なのでもしかするとできるかもしれない、 と連絡先を教えてもらった。ちょうど良いことに我が家からも遠くないインプルネータ。 インプルネータはほとんど外に置く釉薬なしのテラコッタの壷や花壇用の鉢植えなどで 釉薬の色づけをするお皿などを制作しているところはなかなかない中でこの従兄弟さんの セルジョは唯一のそういった食器も制作する工房ということ。 なんと幸運なことか。そして訪れてみたら、いかにも職人気質、作家の心意気のある 感性豊かなご主人とわかった。 快く日本からの友人を受け入れてくれると言う。 そして今週の水曜日から制作開始。その前に下準備で素焼きの皿を20枚すでに轆轤で ひいて作っておいてくれた。 初夏の日差しの強いこの2日間。N氏はセルジョとの気もあったのだろう、そして工房の 静かで集中できる環境のおかげか、予定していたよりずっと短期間でお皿の絵付けを 終えられた。 作る者同士の暗黙の了解、感性の類似、言葉を超えた心の通い合いというものをつくづく 感じた。 大阪で夏に展示される予定のお皿達。 来週セルジョが再度窯に入れ、新たなる色に変貌して生まれあがる。 セルジョとN氏との協力のもとに生まれた作品が日本へと旅発つのは間近である。 10,000キロの距離を超えたふたつの文化から生まれた作品。 久々に心躍る嬉しい体験である。
by jamartetrusco
| 2013-05-11 03:54
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