2013年 10月 06日
週末から5日泊でヴェネチアに滞在してきた。 2年ごとに開催のビエンナーレ・アレテを見に行くこと、京都からの友人達と 合流してフォルトゥニー美術館で開催のタピエス展を見に行くことを目的に。 いつからかヴェネチア行きは恒例となった。フィレンツェから高速列車で 2時間ほどで行けるようになってからのことでもある。 以前は4時間ぐらいかかったから。 最近では短期滞在のアパートを借りることにしている。ホテルだと3食外食 となり、経済的にも身体的にもきついから。 ヴェネチアの街は今更言う必要もないが、運河に浮かぶ水上の街、 車も自転車も一切通れない世界唯一無二の街である。 水上バスや水上タクシーも利用できるが、たよりになるのは足だけ。狭い 路地を通りながら小さい広場や教会などを散策するのがこの上なく素晴らしい。 観光名所となっているサンマルコ広場はその類いない美しさと裏腹に近頃では 団体観光客のふき溜まりとなってしまい、アクアアルタ(満潮時に水が上がる こと)のときなど歩くこともままならない人間の大渋滞のようになって とにかく避けたい場所となる。なんて残念だろう。 ヴェネチアの人たちは車に侵されていないので、人間の根本的な生き方を謳歌 しているように見える。飲酒運転の心配がないこともあり、夕方黄昏れ時となると 一斉に近場のカフェやバー、またレストランで一杯飲みにに入る。買い物帰りの 奥さんから、地元のおじさんから、若者のカップルからあらゆるタイプの人たちが シュピッツというこの土地独特のカンパリとプロセッコのカクテルを飲むのである。 ゆったりリラックスできるなんとも贅沢なひととき。運河を横に飲むお酒はまた 格別である。この週末は9月終わりと思えないほど暖かく、道ばたを埋め尽くす人々 で一杯。夏の名残りを惜しむように水と空に酔う。 セレニッシマの海運都市として栄耀栄華を謳歌したヴェネチア。東方との関係も あり古くから国際的な都市として開けていたせいか、街の気質がオープンであるのも ヴェネチアの最大の魅力である。 国際的な行事である国際映画祭、アートや建築のビエンナーレがこの地で開催される のもしかるべきことである。 石造りの城塞のようで、閉鎖的なフィレンツェとか対照的な街である。 フィレンツェとヴェネチア、ローマやミラノとならんでイタリアの最強の都市である が、私はヴェネチアが心から好きだ。イタリアで住みたいと行ったらこの街である。
by jamartetrusco
| 2013-10-06 17:06
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