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2006年 05月 10日

Omeopatia ホメオバシー或は薬草療法

ここ最近イタリアではOmeopatia、英語ではHomeopathy(ホメオパシー)という代替医療の普及が激しい。語源はギリシャ語でhómoios (似たような),páthos (苦痛)の意で、日本語訳であは同毒療法。ある症状で苦しんでいる患者に、健康体に与えれば同症状をもたらすような物質をごく僅かに与え、それによりその症状を退治する、といったような逆説的な治療法である。発明したのはドイツ人の医師、ハーネマン、Samuel Christian Friedrich Hahnemann(1755-1843)であるから、もう100年以上の歴史のある医療法である。
最近私の周りでも、ある一定の文化的、社会的レベルに達しているお母さん達は必ずと言って良いほど、ホメオパシー療法を採用している。自分たちばかりでなく子供たちにも。背景には近代西洋医学に対する疑問と薬草などを使用する古来からあった伝統的療法への回帰があると思う。またいわゆるマリワナと呼ばれるcannabisの自由化を訴える60年代からの若者文化の展開の延長線上にもあるように思われる。マリワナというと単なる麻薬という否定的イメージで捉えられて長いが、その成分であるcannabisは植物で、これもある種の病状にきくとか、また煙草よりもずっと害がないとかの理由で、再認識しようという動きが欧州では見られる。なにしろ若い世代の半分が吸ったことがあるとか、常用しているとかの状況であるので、政府も考え直す時期にきているようだ。今のところcannabisが合法化されているのはオランダだけ(イギリスも考慮中のようだったか)である。法王のおわすイタリアはたぶん無理でしょう。

それはさておき、このホメオパシーの薬。私も娘がひどい咳風邪をひいていたときに、知り合いにもらった。これを二粒飲めばすぐよくなるわよ、と。
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名前は植物用語ではAconitum napellus、別名英語ではmonkshood、wolf's bane。

仁丹のような小さな小さな粒である。それを2粒飲んだら本当に不思議なぐらい咳が即とまった。それ以来,娘が咳が苦しくて寝づらいときなど、稀に使っていた。ホメオパシーってやっぱり効果あるな、などと思いながら。


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そして最近、成分はなんだろうなとあらためて調べてみたらこの植物、かの有名な猛毒ありのトリカブトの一種らしい。かなりびっくりした。
それで色々調べてみると、痛みや熱、触感の神経にきく薬草らしく、扁桃炎とか気管支炎、喉頭炎などからの発熱などに良いらしい。ホメオパシーではかなり広範囲に使用されている薬草だそうだ。そしてこれ以外にもbelladonna(文字通り、美しい女、名前がなんとなく艶かしい)というやはり毒草も活躍している。これらの薬草は古くは中世ヨーロッパの魔女達が使っていた薬草である。彼女達は基本的には治療のためでなく毒として使っていたのだけれど。

そうしてだんだん考えていると、人間というのは結局は自然とともに、自然の薬草や鉱物や動物たちと共存し、その恩恵で生きて行くのが一番なのだろう。毒も得もすべて含めて。
そしてこの魔女がつかった薬草こそが、近代医学の薬より、ずっと効果があるのでは、と。
毒をもって毒を退治する、いかにも魔女的療法。ホメオパシーという新しい名前で普及しているこの医療法は実は古くからある魔女的、神秘的薬草使用に他ならないのでは、などと思えてきた。
そんなこと言ったらイタリアのお母さんたち反論するだろうな、、。
日本には中国から伝わる漢方などがあるので、あまり必要のない療法かもしれない。

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by jamartetrusco | 2006-05-10 17:42 | Paese (土地柄)


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