トスカーナ 「進行中」 In Corso d'Opera

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2006年 05月 13日

Ombra della sera ー エトルリアの夕影

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わたしの大好きなOmbra della Sera, エトルリア文明の残照である。エトルリアの中心都市として知られるトスカーナのVolterra, ヴォルテッラの考古学博物館にある、高さ57cmもある銅像が有名である。エトルリア由来の地に行けば観光のみあげとしてこの像のレプリカが様々な大きさで売られている。

わたしも最初にイタリアに渡った時、やはりエトルリアの都市の一つであるペルージャに夏2ヶ月ほど滞在していたが、その考古学博物館にもこの像がいくつか所蔵されていた。そのときこの像に惚れ込んでしまった。そして小さなレプリカを買った。ジャコメッティの細長い彫刻もこの前では薄らいでしまうかのような見事に超越的な立ち姿。
細長い姿故に、楚々とした、やや悲しげな表情を全身にたたえるエトルリアの影像。

Ombra della Sera, 夕影、という詩的な命名をしたのは世紀末デカダンスを代表するイタリアの詩人ガブリエレ・ダヌンツィオ(1863〜1938)である。詩人ならではの素晴らしい感性ではないか。

もともとエトルリアの神の像と考えられていたが、後世になって生け贄のような願掛けの像ではないか、とも。最近では庶民を守る土着神の像ではないかとの説もある。

影は自分では捕まられないもの、エドガー・アラン・ポーの作品にも「影を殺した男」という怖い話があった。影は人間にとって、闇と光の間の永遠の神秘。
画家も古くから明暗ーchiaroscuroーを表すことに情熱をついやしてきた。
ドラマティックな明暗で構図を作り上げるカラヴァッジョ、ろうそくの灯火の中の人物のみを描いたジョルジュ・ド・ラトゥール、影に魅了された芸術家は数えきれない。

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「夕影」という名称が後世にこの詩人によってつけられたにせよ、エトルリアの人々が見た神の姿、夕暮れ時に人の影が長くなる時、それが何かの神的な所行と思われていたのではないか、とわたしには思えて仕方がない。静かに人々を見守るお守りのようなイコンではなかったか、と。 エトルリアの未知なる世界は広大だ。







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by jamartetrusco | 2006-05-13 18:06 | Arte (芸術)


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