2014年 12月 09日

Mangoの冥福を祈って

11月6日に60歳を迎えたばかりのイタリアのポップシンガー、Mango
が12月7日夜のコンサート会場で急死した。
アンコールで彼の人気の歌Oroを歌っていた際、突然気分が悪くなりそのまま
病院に運ばれたが亡くなった。心臓発作だったと報道されている。
ある意味では音楽家として幸せな逝き方だったかもしれないが、しかし若すぎる。

Mango。イタリアに初めて長期滞在した1992年の夏にラジオでその歌を聞き、惚れ込んだ。
イタリアに対するイメージは長く住んだおかげで由も悪しきも理解している今とはかなり違う、
まだ新しい恋にどきどきしているようなそんな時期のことだ。

夏の輝く太陽と青い海、美しい夏のイタリアの官能的な日々にどっぷりつかってさてこれから
外国人のための国立イタリア語学校があるペルージアに向う前、海辺の避暑地である
フォルテ・デ・マルミにて2週間ほど休暇していたときのことである。

イタリアとの縁。日本での仕事を通してやや行き来する機会ができ、そしてティーンエイジャー
からその美術に惹かれて心を動かしてきたこの国にまたむらむらと情熱が湧いてきて、この
地に赴いた1992年。
まだウォークマン時代。ラジオでその夏おおいに流行った曲、「地中海」を歌っていたのが
このMangoである。発売されたばかりのCome L'Acqua(水のごとく)というアルバムの中の曲。
その音色は彼の高音でソフトな歌声に包まれ、地中海の香りがそのまま漂ってくるかのような
悲しげで甘いまさにイタリアを象徴する音でその当時の私の心情を掴んだ。

レコード店にてカセットを購入。その夏はこのアルバムを何度となく聴いたことだろう。
今でも彼の曲を聴くとその当時の光、音、香り、心の有様がすべて蘇る。

そのMangoがこんなに早くして亡くなってしまった。さらに不思議なことは日曜日の夜
娘とアレとテレビで音楽番組を観ていて、アレがMangoの話をしたことだ。
Mangoのことなどこの20年考えたこともなく、家の話題にも出たことがなかったのに。
そしてMangoの歌がいかに素晴らしかったか、なんていうことを話したその夜、Mango
が亡くなったのである。まさか同時ではないにしても、この不思議な偶然に悲しみと驚きと
まざりながら、もしかするとMangoの最後の息吹がここまで飛んで来たのかしら、
などと感慨無量な想いが残る。

心より彼のご冥福をお祈りするばかりである。
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by jamartetrusco | 2014-12-09 19:05 | Vita (人生)


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