トスカーナ 「進行中」 In Corso d'Opera

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2006年 05月 31日

Tate Modern

今日は先日行ってきたロンドンの話題。雨模様の肌寒い日が続いた中、最後の日は天気予報も運良くはずれて気持ちのよい天気になりました。ちょうどテームズ河沿いのTate Modernに行こうと思っていたので、これは幸運の限り。雨風ではとても歩く気になれない場所です。ロンドンの繁華街、West Endからも歩こうと思えば歩ける場所です。

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このTate Modernの建物は、もともとbankside power station(発電所)として1981年まで使われていたものです。設計は、ヴィクトリア駅を少し南下したところにある圧巻の建物Battersea Power Station同様、イギリスの建築家ジャイルズ・ギルバート・スコット。Herzog & de Meuron建築事務所による建築改装にて2000年ロンドンの現代美術館として生まれ変わりました。現代美術のコレクションは以前はやはり川沿いのTate Galleryに収蔵されていましたが、手狭になったためにTate Galleryは19世紀までの英国美術のみ、そして近現代美術一般はTate Modernに移されたのです。

f0097102_17341619.jpg展示については開館当初から賛否両論ありました。というのも近現代美術の流れを従来の美術館のように、それぞれの時代、派によってわけて展示するのではなく、テーマ別に展示したからです。
例えば”Body"「体」という括りの展示では体をテーマにした(これも学芸の主観がはいりますが)作品を時代、国、作家を問わずに集合させました。このため、それぞれの派の歴史や何故にこのような派が生まれたか、などの当然なる情報が与えられないため、近現代美術に通じていない人々にとっては、かなり唐突な展示となったわけです。わたしもこの展示はあまり賛成できませんでした。とにかく見にくいのが一番の問題、そして美的統一にも欠けている、そして、やはり美術館はある程度、確かな情報を与える立場にあるので、学芸員の主観に走ったような展示はどんなものか、とも思えたのです。

この評判の悪かった展示に終止符をうち、新たな展示開幕の日がちょうど私のロンドン滞在中に当たったのです。そこでロンドンの友達とふたりでさっそく足を運びました。

f0097102_17385610.jpg展示替えもさることながら、なんと言っても幸運だったのは「アルバースとモホリ・ナジ」展を開催中だったこと。ふたりとも興味のある作家でありながら、今までまとまって作品をみる機会はありませんでした。
バウハウスに属しながら、その後ナチをのがれてひとりはアメリカへ、ひとりはロンドンへと、そしてふたりとも最終的にアメリカの異なる美術学校にてバウハウスにて培われた芸術論を指導することになります。





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作品を追うことによって、二人の芸術家が、バウハウスの影響下の、色、形体、社会性の追求という共通した背景のもとに、どのようにその論理、美学をそれぞれ展開させていったかが如実に理解できます。アルバースというと晩年の四角の中の四角の絵画が有名ですが、かれの初期のガラスを使った作品や、あまりお目にかかったことのない写真など、とても興味深く見ることができました。またメキシコの強烈な色彩に惹かれた後にあの晩年の絵画群が生まれたこともわかりました。


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モホリ・ナジの写真の面白さは、写真という媒体が被写体を撮るためのものではなく、自らのめざす美の追求の手段であることでしょう。彼のコラージュはまるでその後のコラージュのお手本のような、独自性と想像力と、コンポジションの面白さなどに満ちています。

そして問題の展示替えについて。単純にずっと見やすくなっていました。
ひとつの美術の傾向が現代までどのようにつながっていっているか、アカデミックにもビジュアルにも効果的な展示でした。今回は特別展に時間をとられてあまりゆっくり見れなかったから次回じっくりと。午前中は大英博物館にてのミケランジェロ素描展を見てきたこともあって日に展覧会2件見たらもう目がつかいものになりませんね。



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天気がよかったのでテームズ河の映像をいくつか記録。ロンドンは住んでいた街なので、観光者としての目がないためか今回もあまり写真を撮りませんでした。でもテームズ河からみたセント・ポール寺院、そしてフォスター設計によるミレニアム橋は被写体として絶好の風景かな。 天気の良い日のイギリスのひとびと、皆外に出て日光浴、パブの外のテーブルはあふれかえり、皆本当に「幸せ」が顔に出ている。希少価値っていうのは必要なことかもしれませんね。天気の良いロンドンは実に美しく、活気にあふれ、突然と何かが再生する、という感じです。




 I love London!



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by jamartetrusco | 2006-05-31 18:19 | Arte (芸術)


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