トスカーナ 「進行中」 In Corso d'Opera

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2006年 06月 14日

アルチンボルドー 16世紀のシュールな肖像画家

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先日ミラノの大聖堂のことについて書いたブログにて名前を出したが、Giuseppe Arcimboldo(1527〜1593)はミラノ生まれのマニエリズム時期の画家である。
父親は凡庸な画家だったらしい。1549から58年までの間、ミラノの大聖堂建築現場にて働く。ステンドグラスの絵柄の下絵など、一部は彼の作である。

その後、1562年、ウィーンとプラハに居を置く神聖ローマ帝国皇帝に仕えることとなり、1565年から本格的に宮廷肖像画家としての任務についたという記録が残っている。フェルディナンド1世(1558〜1564)、マクシミリアン2世(1564〜1576)そしてその息子のルドルフ2世(1576〜1612)の3皇帝に仕えた宮廷画家。一般的に宮廷画家というと皇室の退屈な肖像画を描くはずであるが、さすがに時期はマニエリズム。フィレンツェのメディチ家のフランチェスコ・ディ・メディチもそうであったが、夢想と独自の芸術嗜好、快楽に没頭する狂気と天才が紙一重の人物が出る時代背景があるのだろうか。この3皇帝ともおそらく特異な芸術の嗜好があったに違いない。アルチンボルドは単に絵画のみならず、宮廷でのイベンドの企画、水力技師としての才能も備え、皇帝の嗜好を満足させるための楽器、噴水、廻転木馬等の発明でも有名である。
わたしが最初に彼の名前を読んだのは確か澁澤龍彦の著書の中(「夢の宇宙誌」だったか、よく覚えていない)だったと思う。この不思議な絵と発明の作家として強く印象に残った。


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1563年、フェルディナンド1世在位中に、アルチンボルドの奇異な絵画代表作のひとつ「四季」シリーズ(「夏」と「冬」はウィーン美術歴史博物館所蔵)を描いている。、この頃にはすでに彼の独自の様式を築き上げていたことになる。


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その後66年にはもうひとつの傑作「四元要素」シリーズを完成した。
花鳥、木々、動物、魚、果物、などなど自然の要素を組み合わせてトルソから頭までの人物像を描き出すのである。四季の場合はその季節に合った要素を使い、「気、水、火、土」の4元要素もしかりである。よくよく見るとさまざなな魚や動物がありとあらゆるフォルムにて人物像を象る図はオブセッシブ(執着心)としか言いようがない。

長い間忘れ去られていた画家であったが、1936年、初めて ニューヨークにての展覧会にて紹介された。「幻想的アート、ダダ、シュールリアリズム」展である。いうまでもなく現代の作家の賞賛の的となる。マン・レイ、ピカソ、ダリを始め現代を代表する作家たちもアルチンボルドの芸術にはなんらかのインピレーションを得たに違いない。

アレも実はアルチンボルドに魅せられた作家の一人。読み込んだアルチンボルドの美術の本が書棚にあった。 「あっ、彼もアルチンボルド好きなんだ」と最初に会った頃の記憶がある。


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by jamartetrusco | 2006-06-14 22:24 | Arte (芸術)


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