2006年 06月 18日
Golfo di Barattiーバラッティ湾を遥か下に見下ろす丘の頂上にある古代エトルリアのアクロポリス、Populonia、ポプロニア(上の画像の遥か彼方に見える丘がそれ)。海に面して発達したエトルリアの都市として唯一である。目の前にあるエルバ島で採れる鉄などの鉱物供給の中心都市であった。エトルリア文明が製鉄に優れていたことは歴史事実である。この都市は丘の上のアクロポリスと製鉄に従事し、港としても栄えた地上の都市とのふたつに分かれて発達した。現在ではParco Archeologico di Baratti e Populoniaという考古址跡公園に指定され、80ヘクターの敷地内にエトルリアの古墳から製鉄業の跡など、当時の文明、人々の生き方を知る上で、最も重要な遺跡地となって公開されている。 目の前が息をのむような美しい海辺であるということも魅力のひとつであろう。 このような背景があるので、バラッティの海辺の砂は、色は黄土色に近いが、その中にキラキラした鉱物の粒子が混ざっているのが目にもわかる。そのため日差しを浴びて熱が上がった砂はとても素足では歩けないほど熱くなる。なにしろメタルが入っているのだから。 そして砂浜や海辺でみつかる石も鉱物の欠片のような真っ黒なものもあったり面白い。 浜辺の湾からみて左側奥の岸壁は夕日が当たると鮮やかな褐色となる。その土も長年の潮風と波に洗われ自然の微妙な影を作り出し、まるでエトルリアの神が現れたかのような豊かな表情を見せてくれる。 そしてこのバラッティ湾以外にもこの付近にはBuca delle Fateという知る人ぞ知る(10数年前はそうだったが、今はどうか)の素晴らしい岩場の海岸がある。ダイバーや魚を見る人にはもってこいのところ。辿り着くまでにかなり歩かなければならず、また深海なので、一般の家族連れや泳ぎの下手な人などは来ない。アレは私と知り合ってすぐここに連れて行ってくれた。 今年は娘もだいぶ大きくなったので行ってみようかと話している。 エトルリア時代からの息吹が未だに感じられるトスカーナの海岸線。この辺りの海岸はRiva degli Etruschi(エトルリア海岸)として観光局のうたい文句ともなっている。
by jamartetrusco
| 2006-06-18 00:39
| Storia (歴史)
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