トスカーナ 「進行中」 In Corso d'Opera

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2006年 07月 05日

Bolgheri —詩人カルドゥッチの詠った糸杉の参道

今滞在中の家のすぐそばにある街ボルゲリーBolgheri.
この街が特別なのはアウレリア街道からボルゲリの城まで5kmに渡って参道のように続く糸杉の並木道である。900年代以来貴族のゲラルデスカ家の領地である。もちろん現在ではボルゲリ市として成り立っているが、歴史はこの付近の広大な土地の領主であるゲラルデスカ家とともに歩んでいる。トスカーナのいわゆるマレンマーMaremma—と呼ばれるもとは沼地であった地域はアンティノーリやゲラルデスカなどのトスカーナの有数な貴族の所有地となっているところが多く、高価な葡萄酒サッシカイア、Sassicaiaはこの付近産である。
またボルゲリのロゼ・ワインも有名だ。

ボルゲリの糸杉の長い参道。初めてここにアレが連れて行ってくれたとき、そのあまりの美しさとダイナミズムに涙がでるほどであった。大きな糸杉が永遠と続くつきることのない道。その行き着くところがボルゲリの小さな古い街である。その当時は街もまだそれほど観光化されておらず、小さな食品店がこの地域の物産であるいのししのサラミやハムを売っていた。兄弟で経営している小さなバーでそのパニーノを食べた覚えがある。今では昼も夕も観光客であふれる地になってしまった。観光の弊害というのをつくづく感じる。伯父さんの経営する変哲もないバーも観光客相手のOsteriaになってしまった。

このボルゲリにまつわる歴史がある。19世紀半ばの詩人、Carducci, カルドゥッチがこの糸杉の並木道—Viale dei Cipressi—を詠った詩、Davanti a San Guidoはトスカーナ、ひいてはイタリアではあまりにも有名である。1838年から10年間ボルゲリに住んでいたカルドゥッチがこのVialeに触発されて書いた詩のおかげでこの糸杉の並木道は永劫のものとなった。日常を非日常の永遠不朽のものに変貌させる芸術の力強さであろう。

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by jamartetrusco | 2006-07-05 05:42 | Storia (歴史)


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