2006年 07月 10日
今現在8時40分、現地時間、イタリアの人々は息を飲んでイタリア・フランス決勝試合を観戦している。今年のワールド・カップイタリアは運良く決勝戦まで進んだ。最初のグループの対戦相手に強豪チームが不在であったことがとりわけ幸運だったと言える。唯一真剣勝負だったのはセミ・フィナーレの対ドイツ戦のみである。オーストラリア戦などはっきり言ってまったく面目なしの試合で最後の最後にペナルティーキックにて(それもあまりはっきりしない)からくも勝ったと言える。ドイツ戦はさすがに皆真剣に試合に挑んだ感じで勝ちは当然のような好プレーぶりであった。 今試合まっただ中、このブログも生中継である。わたしはサッカーの通常の公式試合は全く興味がない。唯一情熱がわくのはワールドカップである。12年のアメリカでのファイナル、イタリア対ブラジルの試合。バッジョが最後にペナルティーキックにて負けてしまったときはどれほど悲しく残念に思ったことか。 そしてフランス、日本/韓国とワールドカップはなるべく全試合を見ながら楽しんできた。様々な国が参加するワクワク、ゾクゾクする夏のひとときである。 ところが、今年はひどい。もう心から頭にきている。イタリアの社会への不信感にもなっている。なんと国営放送のRaiが落札で放映権利を買うことができなかったのか、その辺のいきさつはよくわからないが全放映権を有料TVのSKYが買ってしまったのである。というわけで普通のテレビ放送ではワールドカップの全試合の半分ぐらいしか観れなかったのである。当然日本の出る試合など放映ゼロ。最初のグループ内での試合は半分以上観戦できないのだから。少しずつ臨場感が湧いてくるという興奮もない。もっと腹立たしいのは最終段階の最強4を選ぶ試合も半分は放映されなかったのである。もうこれははっきり言ってサッカー国のイタリアとしての恥ずべき状況である。SKYをもたないもの、観るべからず、という世界。そしてさらに怒るのは試合の抜粋の放映なども深夜になるまで放映されない。ただただ批評家がしゃべる番組のみである。普通の時間に普通に一日の試合の状況を観たい人には全く選択の余地なし。これは異常としか言いようがない。たぶん世界広しといえどもこんな状況はイタリアだけでは?ちなみにロンドンでは国営のBBCと民放のITVが交代ですべての試合をカバーしてましたよ。そして試合の途中に他の試合の抜粋を放映したりしていましたよ。 また不思議なことにいつもは何でも批判が絶えない国なのに、このことに対して怒っている人が少ないのだ。何故? 結局はイタリアの出場する試合さえ観れれば後はどうでも良いということか?ワールドカップの面白いのは多くの国の試合を観れるからではないか?そして今まで知らなかった国への理解や興味が出るからではないのか?自分たちの出る試合さえ観ればそれで良いのか?完璧にナショナリスト、カンパネリズモのイタリアを垣間みた気がする。 スポーツのフェア精神の欠如、そしてなんでもお金さえ払えば良いのだという社会。大変不愉快である。 ということで今年の私はイタリアへの応援の気持ちも少し萎えてしまっていつもほど熱狂していないのである。日本はすぐに敗退してしまったし、応援していたイギリスもしかり(イギリス/ポルトガル戦は放映されず)。ということで私は今回はどちらが勝っても良いのです。 後残り時間約20分、どちらが勝つのか。 Quella che merita vince. (勝つべきが勝つ) 以下のランキングに参加中です。 2回クリックお手数でなければお願い致します。 人気blogランキングへ にほんブログ村 美術ブログ
by jamartetrusco
| 2006-07-10 04:30
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