トスカーナ 「進行中」 In Corso d'Opera

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2006年 09月 27日

レオナルド・ダ・ビンチの世界観


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少し前のブログ記事で紹介したロンドン、V&A美術館にて開催中に展覧会”Leonardo Da Vinci - Experience, Experiment and Design"を実際に観て来た。
展覧会自体は小規模であるが、実際のレオナルドの肉筆のデッサンや筆跡をみて、その緻密さと繊細さにまずは驚嘆する。とにかく細かい字である。限られた紙に多くのことを書き収めたいという意図からか、虫眼鏡で見る必要のあるほどの小さい字でびっしりと埋めれたノート。もちろん鏡文字なのでさかさま。イタリア語で書かれているとは言え解読不可能である。一生懸命根をつめて読もうとしたが目が疲れてしまって途中で諦めた。

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この展覧会のテーマはレオナルドが終始一貫して持ち続けた、いかに宇宙が、世界が、自然が、そして人間が作用し、動くかという広大なる神秘への探求である。人間はマクロコスム(大宇宙)である宇宙大自然に相応するミクロコスム(小宇宙)であるという原点にたって、人間のメカニズムを追求する。 人間の体は宇宙自然の機能を内包する、と考えるのである。

骨を石に喩え、川の流れを血の流れに喩える。まがりくねり、流れを妨害された川がうまく機能しないのと同じく人間は血の流れがスムーズでなくなると衰える。人間がすべての自然のミニチュアであると考えると、調和と不調和の真実が見えてくる気がする。やはり流れがよく、
汚染されず、すべてが調和した姿が自然の本来あるべき姿なので、人間もしかり。そう思うとますます自然との一体感が人間の然るべき処である事実が明白になる。簡単に見えて実は完璧に把握することの難しい真実に確実に到達していくレオナルドの頭と心。

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そして「目」を大切にする。視覚というのが感覚の中で一番高貴であり、確実のものである、とする。なぜなら直接「体験」に結びついているからだ。頭脳に直結する目によって確信された知識は確かなものである、とするのである。確かに人間は目で見る行為によってすべてをまず認知するのであろう。「目は何故に夢においてより鮮明に物事を見れるのか、覚醒時の想像力よりもはるかに」 なかなか奥が深い言葉である。

これら一連の人並みはずれた探求の面白さはもちろんのこと、レオナルドのデッサンの素晴らしさは文句なしである。馬の図が特に素晴らしい。アンギアーリの戦いのための下絵であろう。馬のダイナミックな動きを表したデッサン。思いの他小さいので驚いた。


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最後に彼の格言を鏡文字にて。La Sapienza è figliola della sperienza. 文字通りの訳は 「知恵は経験の娘である」 絵はがきである。

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by jamartetrusco | 2006-09-27 17:28 | Arte (芸術)


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