トスカーナ 「進行中」 In Corso d'Opera

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2006年 10月 09日

中秋の名月によせてーフリードリッヒの月

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今年の中秋の名月は10月6日であった。しかし満月は7日である。新月から満月までの周期が15日ぴったりであるとは限らないことからこのずれが起こるらしい。我が地トスカーナでも満月は土曜日。あいにく一日雨模様であったが夜になって雲間から満月が見えた。そして夕刻おそくには地上の景色をすべて霧が被い隠し、天上高く満月が煌々と輝くという幻幻とした風景を拝むことができた。満月が来るとなんとなく心が動くのはどうしてだろう。ずーんとお腹に響く太古の思い出が蘇るような、深い気持ちが喚起される。これも月が地球を公転する際に起こる自然現象の影響かもしれない。


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昔から画家も月には惹かれていた。以前も紹介したことのあるニューヨーク近代美術館(MOMA)に収蔵されるアンリ・ルソー(1844〜1910)の「眠れるジプシー」“Sleeping gypsy"の絵の満月。こんなに月夜の幻想をうまく表した絵もないだろう。ルソーの絵の中で一番好きだ。そして幼いころはこの絵が怖くて仕方がなかった。月、ジプシー、ライオンの組み合わせ、そして色調の超現実性のせいだったのかもしれない。

そして私の好きなドイツロマン派の画家、Caspar David Friedrich、カスパー・ダヴィド・フリードリッヒ(1774〜1840)の描いた月の風景の数々。彼は独特の音不在の静寂とした風景画で有名である。それも寂れた色のない風景である。冬景色、暁光、夕暮れ、枯れた木、朽ちた遺跡、などなどいずれも活き活きとした活力の光りではなく、どこか物悲しい精神性の高いオーラに被われた風景画である。そこに彼の見た「神」が存在しているようだ。
彼の月の風景には必ずそれを眺める人物が二人、または3人といる。皆後ろ姿にて月を拝んでいるのである。その寂とした空気感と月の光の及ぼす不思議な力は私が満月を見る際と同じ効力をもっているようである。月の彼方にある力を見据えるようだ。



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by jamartetrusco | 2006-10-09 17:56 | Arte (芸術)


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