2006年 10月 27日

ポンペイの遊郭ーLupanare

ポンペイの官能的かつエロス溢れるフレスコ画は有名である。ポンペイの数多くある遊郭の中で最大の通称”Lupanare"が昨日再び公開となった。過去一年にわたる精密な修復作業を終えてあらたに公開されるこの高級遊郭。

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Lupaとは雌狼のことであるが、ラテン語の俗語で売春婦のこと。このlupanareはなんと2階建てにて一階ごとに5部屋、計10部屋の大型の遊郭。2階はバルコニーなどついていて裕福なお客向き。

フレスコ画にある性表現は直裁で想像の入りうる余地などなく、各部屋の入り口に提供するサービスの看板代わりに描かれている。まだ人間の根源的本能である性愛が社会のタブーとされていなかった時代の開放的な表現。どこか生き生きとしてユーモア溢れる。考古学的価値は言うまでもない。

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この快楽的都市ポンペイが紀元後79年、ヴェスビオ火山の噴火により6メートルの火山灰に一気に被われて跡形もなく消滅したことはあまりにも有名である。この遊郭もその例外にもれない。18世紀になって初めて発掘が始まり、灰の下に奇跡的に保存された建物やフレスコ画などが現れたときの驚きはいかなるものであったか。
そして18世紀、19世紀を通じて発見されたこれらのエロチックなフレスコ画はその性質上、ナポリ考古学美術館に保管され、「適切な年齢に達しており、倫理感のしっかりしたもの」のみに公開が許されたという。

私がポンペイを訪れたのはもう遥か昔、80年代半ば。まだ修復など行き届いておらず、またほとんどの建物が閉まっており中に入れなかった。夏暑い時期で、炎天下のもと土ぼこりにまみれながら、ヴァカンスをともに過ごしたパリに住む女友達とポンペイの周囲を足をひきずりながら歩いたのを覚えている。そして守衛さんのいかにもナポリ人気質の人の良いおじさんが「本当はだめだけれどちょっといれてあげよう」、と特別に入れてくれた。彼女のそのときのボーイフレンドがイタリア人でマルコ・チェイといったのだが、ある建物にCeiと記されていて、彼の遠い先祖かなーと笑いながら話した思い出は太陽の光と遺跡の匂いとともに今でも鮮明に心に残っている。
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by jamartetrusco | 2006-10-27 23:28 | Storia (歴史)


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