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2006年 11月 08日

ジャクソン・ポロックの話題

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つい先日ニューヨーク、サザビーズ・オ−クション会社を通してジャクソン・ポロックの1948年制作の作品「No 5」がなんと14億ドルにて買い取られたというニュースを読んだ。これはニューヨーク・タイムズ紙が公表したもので、サザビーズ側の正式な発表があったわけではない。というのも公開オークション外の取引であるからだ。もしこれが正確だとすると史上最高値での絵画の売買となる。先6月に売却されたグスタフ・クリムトの作品の13億5千万の取引をさらに上まることとなる。買い主はメキシコの金融業者と言う。

ジャクソン・ポロック(1912〜1956)は絵の具をたらした即興的な絵画手法、drip painiting にて有名で、特にこの1948年前後は対戦直後のアメリカの抽象表現主義運動がポロックによって開花した時代でもある。ポロックによってヨーロッパ芸術のへその緒を断ち切ったとも言え、彼はアメリカ現代美術、果ては世界の現代美術にとって鍵となる存在である。交通事故にて44歳の若さで逝ってしまうその悲劇的死は彼の存在をますます神話化している。
ポロックの重要な作品は世界の大きな美術館収蔵となっているため、これほど重要な作品が個人売買されるということは今後もないであろう。

そして新たにポロックにまつわる面白いニュース。話題の人は元トラック運転手の女性。1991年カリフォルニアのがらくた店にて7ドルを値切って5ドルで冗談のつもりで買った120x165cmのサイズの絵画が実は本物のポロックかもしれない、というのだ。

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もし本物だと認定されればなんと4億か5億、いやもっと上がるかもしれない価値という話。彼女の喜びたるや想像に値する。またふるっているのは74歳のこの彼女、ジャクソン・ポロックなど皆目聞いたこともく、なんの価値もわからずずっと倉庫にしまってあった。この絵画を友達に売ろうか、ということから、近くの大学の美術教授の目にとまり、追求が始まる。そして今、真否を決める手がかりは絵画についた指紋とのこと。ポロックの持っていた絵の具の缶や既存の作品についた作家本人の指紋がこの作品に残っているものと同一らしいのである。DNAとまではいかにまでもケイ・スカーペッタ(パトリシア・コーンウェル作の犯罪小説の検屍局長である主人公)顔負けのいかにも最新の技術を使った調査方法ではないか。
ということでもしこれが是であるとわかればこの持ち主、一日にして大金持ちになるわけである。最近あまり聞かなくなったびっくり玉手箱の話である。


追記:
また明日から1週間ロンドンにて、少しお休みします。
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by jamartetrusco | 2006-11-08 23:11 | Arte (芸術)


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