2006年 11月 20日
フィレンツェからたったの2両編成の山越え電車にて行く程2時間弱。 アペニン山脈を越えるとエミリア・ロマーニャ州の人口55,000人程の陶器の町ファエンツァに辿り着く。焼き物をさすフランス語の言葉 Faience(ファヤンス)はこの町の名に由来する。 マヨルカ陶器とともに歴史を歩んできたこの町。町の産業の中心は陶器生産であり、陶芸家も数多い。 そして設立からすでに100年の歴史を持ち国際的にも有名なMuseo Internazionale delle Ceramiche in Faenza ,通称MIC (ファエンツァ国際陶磁器博物館)が町の観光名所のひとつである。さらに隔年開催の国際陶陶磁器コンペはすでに来年2007年にて55回目をむかえる。過去には日本からも金賞受賞作家を輩出している。 また陶芸家、陶芸デザイン、陶芸への道へ進む人材育成の陶芸美術学校G Ballardiniもあり、国内外からの学生で一杯だ。 97年には世界で初めて樂焼を紹介するダイナミックな展覧会"Raku: A Dynasty of Japanese Ceramists"を主催した地でもある。この展覧会はMICにて開催の後、パリの日本文化会館、オランダ、レーワールデン陶磁器美術館に巡回した後、帰国展が東京のサントリー美術館にて開催されたのも記憶に新しい。 ファエンツァの町角には陶芸が満ちている。店のショーウィンドーなどに焼き物作品をデザインとしてならべているところも多いし、作家紹介の場となっているレストランもある。 陶芸とは切っても切れない歴史を持つ町ならではの誇りと意気込みが感じられる。 この週末この町にて芸術、文化に関心のある人の間で知らぬものはなかろうMuky夫人の屋敷にて日本の陶芸家の方の作品紹介とコンサートの夕べが開催されていたので行ってきた。ファエンツァにて陶芸を学び現在では一線で活躍している陶芸家であり、この時期3ヶ月ほどファエンツァに戻られ再び作品制作に挑んだ。 会場はMuky夫人の屋敷の一部をサロンとして使用しており、定期的にコンサートと陶芸作家、画家などの作品を組み合わせた文化サロンの夕べを企画されている。亡き夫がやはり著名な陶芸家であったり、未亡人となった今、昔ながらのサロンの主人としてこの町にてはすでに主のような存在であるようで、今回のイベントにも300人以上の人々が訪れとということで、その人気を物語っていた。 この夫人との友好があったさまざまな芸術家、作家、陶芸家に一言署名してもらった焼き物の大皿、小皿が屋敷の壁を処狭しと埋め尽くしている。あまりの量に圧倒される。 かなりエキセントリックな人柄を思わせるが、しかし18世紀の自宅を駆使してこのような文化的イベントや交流を老齢に負けずに企画されているこの夫人の情熱と活力は素晴らしい。 天井を飾る独特のフレスコ画が目に留まった。
by jamartetrusco
| 2006-11-20 19:21
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