2007年 04月 29日

無一物

自分の中に静かに変化を感じるこのごろ。
人間というのは面白いもので苦境にあったりにっちもさっちも
行かなくなると、なにやら不可思議な平安が生まれるもので、
このところの心境はまさにそんな感じである。
目の前の問題や心痛が靄が晴れたようにすーっと消えたような。
すべてを捨てること。何もない。自我も捨てる。
禅でいう無一物の心境。
これに到達するにはまだまだ道は長いだろうが、少しだけ
その域に近づいている思いがする。
物欲など、とうの昔に色あせてはいるが、自然が最も美しい
今の季節を前にすると生きることの意味が透明に見えてくる。
戦時中、何もかも失い道ばたのあちこちに屍体が転がっていて
それをまたぎながら歩んだという母の信じられないほどの
ポジティブさをみた。
母にあやかり今年という時の波に力を抜いて乗っていこうと思う。

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by jamartetrusco | 2007-04-29 19:25 | Vita (人生)


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