トスカーナ 「進行中」 In Corso d'Opera

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2007年 09月 02日

紙 を知る

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京都府の綾部市。京都の西北部の自然豊かな小さな集落。
紙すき職人の知り合いを訪ねた。京都府からフィレンツェに研修、調査のために派遣された伝統産業に関わる職人さんたちと一昨年の冬に出会った。その一人であった林さんは紙すきの職人さんである。たった一日の出会いであったのだが、なんとなくその人柄にひかれた。そして言葉を交わすことが少なかったもののアレにも彼自身がすいた紙を贈ってくださった。
なんとなくお互いに見えない意思疎通があったような気がする。日本の職人の技に深く関心のあるアレなのでまた会えるような気がしていたのである。

そして此の夏アレの桂の展覧会にも来てくださった。2回目の再会である。自分の工房にも是非遊びに来てください、との誘いについついひかれて8月の暑い日、綾部のご自宅まで足を延ばす。

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台風が近づいていたので風は吹いていたがじりじりする暑さの集落に着く。
まずは地元の神社に。人っ子一人いないので不思議なくらい超現実的な処。
有名で人気の多い寺社を訪れるよりこういった人里離れて神秘的な場所に真の「神性」を
感じる。

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蝉の声のみが響く熱せられた大気。田んぼに囲まれた日本の田園の典型。
山あり川ありという理想的な自然。日本の神様を感じるのはこうした環境である。

紙すきは近くの廃校になった学校の校舎を工房にして行っている。子供達を対象にした紙すき体験なども企画しているらしい。
今回はご自宅にて紙すきを体験させてもらった。和紙が楮(コウゾ)という木からできているということはぼんやりと知っていたのだが、実際ゆでられて白く糊のような楮の原材料を水に溶かして板に乗せすいていく過程を体験して紙の存在を初めて知ることとなった。単純に「紙とはこんな風にできているのか」と。簡単そうに見えて加える水の量とか乾かしかたとか後作業の行程は職人さんならではの技であろう。私たちはただ板を前後左右に揺らす作業をしたのみ。

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土や砂からできた色彩で色したアレの絵を見ておられたので近くの納屋の壁土や赤土をコウゾと混ぜて用意しておいてくださった。違った観点からの面白い紙になるでしょう、と。
ちょうど梅干しをちぎったような色と感触の土色のコウゾ。

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アレもこれが紙に成り代わるのかな、と半分恐る恐る色を被せていく。

帰る前には出来上がったもの、お送りしますよ。

そして8月の展覧会時にわざわざ持参してくださったのがこれである。
あれだけ厚みのあった生のこうぞがこんな風になるのか。とつくづく感動した。


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by jamartetrusco | 2007-09-02 22:22 | Paese (土地柄)


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