トスカーナ 「進行中」 In Corso d'Opera

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2007年 10月 09日

エレナの黒いふくろ

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この7月埼玉県立近代美術館にて開催されたエコロジー・アース・アート21夏展覧会に出品した作家友達。作品が無事返送されたのを機に、その作家のひとりであるエレナ・サルヴィーニ・ピエラリーニの自宅にて再会した。展覧会の報告を兼ねてである。
実際に展覧会場にて展示を手伝い、オープニングに出席し、会場の写真などを撮れたのはアレだけであるので他の作家たちは興味津々に話しを聞き、展示の様子をみて皆満足の様子であったのでひとまずほっとした。

エレナは夏精力的に仕事をしていて、展覧会も2回開催。彼女の場合、展覧会というのは普通一般に考える作品展示とは違う。libro in piedi (立つ本)という詩情あふれる作品群を作る彼女。常に自然環境からのfound objectを刺繍でみがいた糸の技で織り込んでいく彼女ならではの手法である。

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夏の島にて行ったイベントはこの本を何冊も黒い袋にいれて作家を含める数人の主体たる人々が通りを歩きながら、最後に城壁の段々に置き見せるという「動」と「静」が合体した展覧会であった。袋という器にいれる、ということの意義。彼女も箱、容器、器に常に興味がある。
自身を中に包み込む。肉体も魂の器である。そんな発想が展開して、過去の彼女の制作と思考がつまった集大成とも言える一冊の黒い本、中には作品の画像と友人の作家や哲学者が書いた評論が絵巻物のように収められている。

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そして巻末のページはこの本を持つ人が自由に想像力を活かして作り上げていくために残されたものである。il tempo dell'attesa, il tempo della libertà, il tempo della condivisione. 待つという時の流れ、自由という時の流れ、分かち合う時の流れ。
彼女の抱擁がそのまま本となった美しく、寛容で、心休まる作品である。




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by jamartetrusco | 2007-10-09 18:21 | Arte (芸術)


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