トスカーナ 「進行中」 In Corso d'Opera

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2007年 12月 23日

クリスマスにちなんで

クリスマスの時期に思い起こす名画。

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フランス、レンヌ美術館所蔵のジョルジュ・ド・ラトゥールの「赤子の誕生」。
荘厳な寂々とした風景に母と赤子、そしてその横に温かく手をかざす婦人のみ。
宗教的象徴のある事物は不在であるのに、この絵がキリストの誕生を暗喩するのは
明白である。
光と闇の微妙な陰りと美の中に魂の神聖さを如実に表した素晴らしい絵である。
その意味ではキリスト誕生のすべてを写実した絵画より宗教性に富むとも言っても過言でない。内面をみつめるような精神性高い絵である。ラトゥールが自身のために描いた絵ではないだろうか。

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それとは対照的にルネサンス初期の豪華絢爛そのものを象徴するジェンティーレ・ダ・
ファブリアーノの「東方の三賢人礼拝」の絵。ウフィツィ美術館所蔵。
礼拝の模様を画面一杯に細部にわたり描写している。ゴシック時代の様式化がまだたぶんに残っていながらすでに人物の自然主義的な表現が特徴で、フラ・アンジェリコなどの先駆けと言えよう。3つの異なる光源から画面を美しい輝きで満たしている。
キリスト誕生の光を象徴的に表すようであり、光の美しさに満ちたこの時期にふさわしい。


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そしてもう一点、どうしてもこの時期になると想起する絵。
ウィーン歴史美術館所蔵のピ−ター・ブリューゲルの「雪の中の狩人」。
白一色と枯れた木々の冬景色を背景に家へと帰途につく狩人と犬が話しの誘導人のようである。遠くには教会近くの集落とそばの凍った湖にて遊ぶ人々が見える。前夜祭の晩餐のための狩りに出たのだろうか、などと想像するに楽しい。
日常の瞬時の中に人間の生き様の普遍を織り込んだブリューゲルならではの傑作。

クリスマス・カードにするに最適な名画3点である。
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by jamartetrusco | 2007-12-23 23:18 | Arte (芸術)


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