トスカーナ 「進行中」 In Corso d'Opera

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2008年 02月 18日

イタリアの底力

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久々に会った友人家族。彼女は日本女性でジュエリー作家。日本の繊細な感性を生かした粋なジュエリーを作る。
彼はもともとシチリア出身であるが、フィレンツェに移り住んで長い。フィレンツェ近郊の街に照明器具のPelliteri デザイン工房を持つ。デザイン発送からモデル作りまですべてその工房兼工場にて行われる。昨日は彼らの新居に遊びにいきがてら彼の工房を初めて覗かせてもらった。
そしてつくづく思ったのである。イタリア人の職人的才、創造性、デザイン性、独創性、そして自身の手を信じる底力を。

工房はCittà del mobili(家具の街)と呼ばれるピストイア圏のQuarrata,クアラータにあり、表通りはまさにその名に恥じず家具、インテリア商品のショールームが軒並み立ち並ぶ。通りを入った裏手の工房はまだショールームとして公開していないのでひっそりとあるのみだが、中に入って驚いた。モダンな照明器具が展示されている他、過去の製品なども処狭しと置いてある。そして何と言っても一番興味をそそられるのは一番奥の工房である。そこは制作者にとって理想的なだだっ広い空間で、そこに照明器具のための原型から、アイデア構想の過程から、作家としての彼の作品とか、とにかくあらゆる形のアイデア源泉のおとしご達がうごめいている。
雑然としてながらひとつひとつが互いに相互作用しながら存在するアイデア品の数々。
彼を含め4人の若い仕事手がこの空間の立役者である。
「ここに入って仕事をしたい場合、何を作りたいかはっきりした考えがないと何も手をつけられないんだ」という彼自身が説明するに足る混沌とした空間である。
プロトタイプの家具や照明はすべて手作り。アイデアをとにかく自身の手で形にしていく。
こうした手技に基づく混沌からこそ、独創的アイデアが生まれ得るのだろう。
そうして完成したフィニッシュ・プロダクトはあーこれか、というような有名なものもあった。例えばシャンペンボトルの栓にするメタルのストッパー。彼がその発明者だったのか。その後似た商品がどんどんと発売されたらしい。
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イタリアのデザイン、職人技の底力を垣間みるとともに、イタリアの文化はこういった個人の才の力に寄るところ多しであると納得した。それも芸術家としての職人の力である。ルネサンス発祥の土地であることは明白である。
今のイタリア、なにかと問題ばかり見えるが、隠れたところにイタリア魂健在なりを再評価することのできた気持ちの良い一日だった。

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by jamartetrusco | 2008-02-18 20:12 | Paese (土地柄)


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