2008年 05月 13日

エリカーパイプの原木

木製パイプの素材に多く使われるイタリアではericaと呼ばれる低木。
英語ではbriar ブライヤと呼ばれる。
グレーベからすぐの野山で自然に生えているを多く見かける。
初めてキャンティに住み出したときに山火事の後の高台の野原にて焼けて
真っ黒になったエリカの木の根っ子を持ち帰った。
この家に住み出して初めて彫ったのがこれである。

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ジャコメッティもどきとまで言えないが、我ながら気に入っている。

エリカは彫りこむと赤みがかった土色の色合いに微妙な白の
斑が浮かび上がり、磨けば艶やかになる硬質な木材である。

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これはライオンのような形と思ってやはり当時彫り始めて途中で挫折したものを
近年アレが引き継いで彫り込んだいわば合作と言えるもの。エリカの赤い質感
がよくわかる。

パイプの素材に使われる理由としてまずはその耐火性。
そういえば山火事にもしっかりと耐えて残っていた。そして水も含みやすいく軽い。
その当時、パイプに使われる素材であることは知らなかった。

つい先日用事の帰りがけに通った野山にエリカの群生を見た。去年あたりまた山火事に
あったに違いない。低木であるので野山を埋め尽くす他の木々の群れが火事にて一掃された後、その豊かな生命力のおかげでその姿をしっかり現すのである。
火事にて焼け残った根っ子がまたいくつか見つかった。
アレはここのところ木彫三昧にてエリカを手に入れたいと思っていたので大満足。
家に帰ってからすぐに制作を始める。
根っ子というのはオリーブに限らず生命力の根源を感じるものだ。

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オリーブ、エリカ、杉、桜ー彫刻の素材となる自然の木の恩恵をありがたく受け止めて。制作をするものにとって田舎に住むことの利点のひとつはこういった素材が身近に、しかもただで手にはいることである。
同じ野山で拾ってきた大きな松ぼっくりをいくつか使ってその晩バーベキューをした。
田舎に住んで良かったと思う瞬間である。
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by jamartetrusco | 2008-05-13 23:46 | Natura (自然)


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