2008年 05月 19日

カエサルの本当の顔

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イタリア語ではジュリオ・チェーザレ、ラテン語ではユリウス・カエサル。
とにかく「賽は投げられた」と「ブルータスおまえもか」の言葉で有名なかのローマ皇帝シーザーである。
この皇帝の肖像はいままで理想化され、果敢で凛々しい若年の彫刻像や頭像によりしか知られていなかった。
しかしつい最近フランスの南部アルル地方のローヌ川底から頭像が発見された。
残っている金貨のシーザー像との類似性からシーザーの晩年の頭像であるとフランスの
考古学者が発表した。それも実物に大変近い姿であるという。
三頭政治が破れローマ内戦の後、シーザーが独裁官として帝政ローマの安定を目指そうとする矢先共和制の危機を案じたブルータスらに暗殺される。

対ポンペイウスとの交戦に端を発した内戦時代、マルセイユ港への使用を許可しシーザーへの指示を示したアルルに感謝する意味でこの町をローマの植民地とした。
この頭部の研究者である考古学者ロング氏に説によると、シーザーの恩恵を被るこの町としてはシーザー暗殺の知らせを聞いてシーザーの頭像を飾っていてはまずいということで即、ローヌ川に投げ捨てた、という。味方と敵の身代わりの早さは必須の時代である。

今まで未発見のまま川底に埋まっていた、ということも驚異である。
どういうきっかけで上げられたのだろう。
誰かを想起させる顔ではあるが。

石の文化であるからこそ川に沈んで数千年後でも形が残っているという事実は見逃せない。
これを受けて80年代のイタリアにてモジリアニの彫刻の発見として世間を騒がせたニュースを思い出した。モジリアニ自身が自分の彫刻をリボルノの城塞の掘に投捨したという伝説を利用して、リボルノの大学生が自身で彫った模倣作品を投げたのである。
最後には偽物であることがわかったのであるが、かなりの物議をかもしたらしい。

海底に沈んだ宝、などなど西欧古代文明の発見の神秘はまだまだ続くだろう。
インディアナ・ジョーンズの発祥と人気の源もここにあり。
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by jamartetrusco | 2008-05-19 21:02 | Storia (歴史)


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