トスカーナ 「進行中」 In Corso d'Opera

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2008年 10月 03日

負のエネルギー

「読書の秋」と言うが気候が涼しくなってくるとどうしても心や頭への刺激をより感じるようである。
春や夏は体、肉感と結びついた官能の季節。
秋と冬は内省へとつながる精神と理性の季節。
どちらも人間の全体のバランスに不可欠である。
秋冬は自然とメランコリーを誘う。しかし「考える」力を与えるのはこの季節である。

天災がいかに人間の想像の営みに影響を与えるかということに関しての面白い 事実 を読んだ。
この本をいずれ手に入れて読んでみたいと思う。
1815年にインドネシアでのタンボラ火山爆発、そしてその影響による翌年のヨーロッパや北米の冷夏による災害
1816年は太陽が消えてしまったと思われたほどの悲惨な天候だったらしい。
しかしこの記録的天災があったからこそシェリー著の「フランケンシュタイン」そしてストーカーの「ドラキュラ」が生まれたというのである。
毎日途切れなく降り続く雨の中、スイスの湖畔の屋敷に滞在していたバイロン卿とその客のマリー・シェリーと夫。悪天候の中、室内に閉じこもっているしかなく、さてどうしたものか、と暇つぶしに皆で幽霊の話しを書こう、ということになり生まれたのが「フランケンシュタイン」。

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そのときにやはり同席していたバイロンのお抱え医師であるジョン・ポリドーリが
Vampyre「吸血鬼」にまつわる話しをしたためた。それが後のブラム・ストーカーの有名な
「ドラキュラ」の着想の根源となっていると言う。
ターナーの幻想的な朝焼けや夕焼けの風景も実はこの年の天候に由来するらしい。
雲隠れした中から滲み出るかのような陽のぼんやりとした光は実は真なる自然現象の賜物だったのだろう。

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天候が悪いと、そして暗闇に置かれると人間は心の営みへと頭の中枢が集中していくようである。
そしてそこから得られる負のエネルギーはそのまま創作性へのエネルギーとなる。
芸術というのはそうした負の力から創造されることが多々ある。

自然という大宇宙とその中で右往左往する人間に力を与えてくれるのは自然現象の中に
ある正と負のエネルギー。自然と精神のつながりを感じる。


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by jamartetrusco | 2008-10-03 19:17 | Natura (自然)


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