2008年 10月 26日
Francis Baconは"obssession"を持ち続けた作家である。 人間の表装をはぎ取りその存在の腸を描き続けた作家である。 人間の動物的叫びを直裁にキャンバスに表した作家である。 「死」に取り憑かれた作家である。 死に至る過程の中での人の真理に宗教を感じた作家である。 自らの原罪の十字架を背負っているかのような作家である。 しかし神の存在は見いだせなかった作家である。 代わりに自らの信じる錬金術の法則を発見した作家である。 鋭く人間を抉り出すような外科医のメスのような眼差しをもった作家である。 人間をあからさまにする肖像に最大の意義を見いだした作家である。 人間が肉塊にしか見えなくなるような人の姿や顔の歪んだイメージを 永遠に描き続けた作家である。 その肉塊の裏にある存在の重みを見極めた作家である。 ヴェラスケスの法王イノセント10世に心底惚れ込んだ作家である。 他のどのメディアよりも写真という媒体に表現のインスピレーションを 見いだした作家である。 想像を絶するごみの吹きだまりのようなスタジオで制作した作家である。 その混乱の中に彼の人生のすべてのイメージを織り込んだ作家である。 そして本人は常にきりっとしたいでたちを保った作家である。 男のみ愛した作家である。 1930年代から60年代前半にかけての作家としての形成期に最も素晴らしい 作品を残した作家である。 20世紀イギリスのまたは世界の最も重要な作家のひとりである。 そして私の好きな作家の一人であり続ける。 イギリスでは3回目のフランシス・ベーコンの回顧展がロンドンのテート・ブリテンにて開催中。 ベーコンのオブセッシプなエネルギーに嫌悪を覚えても感動を得ないものはないだろうと思う。
by jamartetrusco
| 2008-10-26 04:11
| Arte (芸術)
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