2008年 12月 02日

先祖帰り

作家の作品制作というのは自身の本能的欲望、情熱、夢、拘り、嗜好、ある時期頭をぐるぐる巡る衝動から自然と出てくるべきものであろう。
もともと作家としてのアレはエトルリアやマニエリズム時期の精神文化、神秘主義、錬金術などに惹かれて、そこから得られる生命や宇宙の神秘と自身の存在との相互作用から作品を作っていた。それが彼の本来の姿である。

その後に日本との関わりができて、日本の文化、美術の持つ抽象の極致、意匠の斬新さに触れ表現が一変する。今までのシンポリズムに溢れる人物や風景やは消えさり、色彩と質感の勝ったひとつの事物を無心に追求する表現となった。抽象性も増した。
しかしそのような他の文化への憧れに似た傾倒も時期が来ればまた消化され、自身の属する文化や魂への追加的な栄養となるにすぎない。

今またひとつの転換期に来ている。無心に追求する姿勢は変わらないが、その主題が変わっている。肉食動物であるイタリアの血がむらむらと湧いてきている。人間をある種の肉塊として見るような生々しい表現が現れ始めている。動物の内臓で未来を占うような予言師が力を持っていたエトルリアのエキスが流れ出している。十字架にはりつけとなり血を流しながら死して行く救世主の存在する文化が浮上し始めている。血のしたたる分厚いビステッカを食べるトスカーナの大地が叫び出している。

そんな感じのする最近のアレの表現。この地で展覧会をする必要がある。
最近開廊したグレーベのギャラリーを初め他の空間を使って是非発表できたら
良いと思う。

f0097102_1935520.jpg

[PR]

by jamartetrusco | 2008-12-02 19:38 | Arte di Ale(アレのアート)


<< 年の瀬に向けて      大地の音ー民の音 >>