トスカーナ 「進行中」 In Corso d'Opera

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カテゴリ:Viaggio(旅)( 22 )


2006年 08月 23日

Sovanaの教会内部とドゥオーモ

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ソヴァーナの素晴らしいふたつの建築美術、教会とドゥオーモ。ソヴァーナの歴史はソラーノのそれと近いものであるのであえて語らないが、この小さなそして歴史深いボルゴの教会内部のciborioー聖体用祭壇ーとドゥオーモの美しさは単に画像のみにて紹介するしかない。宗教というものがまだ太古の神聖を求める精神に基づいていた頃、まだ野心や政治力、力の行使に至っていない頃の教会建築の美しさはなんだろう。

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こういう場所に足を踏み入れた途端、実際に神聖な気持ちになるのである。何故かわからない。たぶん原始の本能に訴えるのだろうか。装飾過多のバロックやロココ様式、またはルネッサンス様式にも味わえない何かである。
規模自体が人間レベルであることも関与しているのだろう。以上に天井の高いゴシック建築になると親しみより恐れを感じるようだ。それは人間を小さく見せること自体が目的であったであろう。

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それに対して12世紀ロマネスク様式はどこかまだ異教の要素を残している。まだ太陽神、水の神、土の神、気の神がいるかのような透明で土臭いような空間である。わたしが最も落ち着き、そしてその心に響く美しさを感じる建築空間である。そして木漏れ日のような光の美しさを再確認した。


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by jamartetrusco | 2006-08-23 06:07 | Viaggio(旅)
2006年 08月 22日

エトルリアの墓跡と岩窟道 Tombe Etrusche e La Via Cava

Sovanaのを出て車で数分行ったところMonte Rosello, ロセッロ山の斜面に沿ってエトルリア時代のいくつかの重要な墓跡がある。
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そのひとつは1843年イギリス人の考古学者SJアインスレーによって発見されたTomba della Sirena 「人魚の墓」と呼ばれるものである、木々や草のかげに隠れ全貌は想像の域を出ないが、凝灰岩の岸壁に彫り込まれた人魚を象ったフリーズとその脇下を飾る人物像は今でもはっきりと認められる。紀元前3世紀半ば頃のものらしい。まるで自然の山の一部のように見える墓跡である。

エトルリアの墓にはいくつか種類があり、この墓はtomba a edicola 「礼拝堂型墓」と呼ばれる。その他にtomba a tempio 「神殿型墓」、tomba a dado, tomba a semidado, 立方形、半立方形墓、または単にcassone 「長持ち型」、camera 「部屋型」、nicchia、「壁がん型」、colombari「納骨堂型」などなど。

この墓のすぐ近くに実際に足を踏み入れてみなければその素晴らしさを経験するのは不可能であるLa Via Cava di San Sebastiano 「聖セバスティアンの岩窟道」がある。

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岩窟道としては、もうひとつこの近くにあるIl Cavoneに比べれば規模は小さいが、その雰囲気は特に美しいものだろう。岩窟道というとわかりにくいが、要するに山の岸壁を彫り出して作り上げた道である。この道は歩行するのみの使用であるため、人が一人通りのがやっとの狭さである。そそり立つ山の岸壁の狭谷を通る感じで、エトルリアの神秘の入り口に入っていくようで震えが来るほどの感動を得た。
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映画「ロード・オブ・ザ・リング」の第3部「王の帰還」の中でアラゴン、レゴラス、ギムリが死者の谷に入っていく部分があったがそんな感じである。このような峡谷の道はエトルリアの人々が必要にかられて山間を彫り出したのだと思うが、現在のような機械がない彼の時代にすべて手でのみを使って通り道を彫り出したこの人々の超人性には脱帽するしかない。エジプトのピラミッド、ローマのコロッセオの凄さの例もあるのであまり驚くことはないだろうが。

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この後もうひとつの墓跡へ。今でも神殿の趣きを残したTomba Ildebranda、「イルデブランダの墓」。時代はやはり紀元前3〜2世紀頃。辛くも残っているフリーズの破片や柱の様式からギリシャ様式に近いと言われている。神殿型の上部の記念碑と地面下に対称に位置する埋葬室が2部屋ある。埋葬室はさらに古く紀元前4世紀頃とされる。埋葬室へと降りる入り口をdromosと呼ぶらしい。このdromosをおりるとせいぜい3メートル四方ぐらいの空間だろうか、そこは薄暗くひんやりとしている。昔は宝など一緒に埋葬されていたのだろう。もしかすると壁画などもあったのか。いまではこけむした岩しか見ることができないが、それでもしっかりと輪郭を残した格天井があり、エトルリア人の手技をそこに見た。

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by jamartetrusco | 2006-08-22 01:35 | Viaggio(旅)
2006年 08月 19日

Sorano ーTufo(凝灰岩)とエトルリアの都

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シエナより南下し、グロセット県内、内陸の岸壁にそりたつ町、ソラーノーSorano。昨日は日帰りにてこの町を訪れた。キャンティ地方からsuperstrada(ほぼ高速道路と同じだが無料)にてシエナへ、そして国道のCassiaへ入る。高級ワインで有名なモンタルチーノの町を過ぎて絵はがきなどでもあまりに有名なVal d'Orciaの美しい大地を抜け、アミアータの山を右手に進むこと2時間、ソラーノ方面の道へと入る。この辺りの景色の超現実的な美しさ、自然の作り出す大地の色の調和にはただただ感慨無量である。

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ソラーノは近接するSovana(ソヴァーナ)とともに付近にエトルリアの墓があることで知られ、わたしも主人に巡り会う前93年の夏にこの辺りを訪れている。この地域からまっすぐ海岸へ40〜50キロ程むかうと行き着く海辺の町オルベテッロの某学校にてイタリア語を学んでいた際である。その後フィレンツェに絵画修復の勉強に向かい、そして今の夫であるアレに会う運命にあるのだが。
エトルリアについてわずかに耳にはしていたもののその時はお墓まで訪れることはなかった。
今回はエトルリア・マニアであるアレと一緒であるのでもちろんエトルリアの墓殿を訪問。これについてはゆっくりと後日に。
ソラーノの町を訪れることにしたのは、娘の学校のお友達家族がこの町に小さなアパートを持っており、また彼らは毎年8月に開催される Mostra Mercato Artigianato Antiquariato Arte di Stradaー長い命名だが要するに職人雑貨骨董市に参加しており、是非遊びに来たらという誘いがあったからである。

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ソラーノはソヴァーナ、ヴィトッツァ(Vitozza)と並んで"Città del Tufo" 「凝灰岩の都」と呼ばれる。町の建物のほとんどがこの石材からできており、まわりの山や岸壁はすべてこの石に満ちているのである。軟質でやや黄色みがかった色の岩である。フィレンツェ近辺のPietra Serenaの灰色の建築物の肌合いとはかなり違った趣きである。



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tufoの岸壁に立つソラーノ。岩にそそりたつという表現がぴったりの外観である。建物の色合いも岩の色に近いのでどこか岩から彫り出されたような印象を受け、その険しく美しい様相に圧倒される。木の国日本では想像を絶するまさに石の塊である。
3世紀、ローマがエトルリアを征服する頃にはすでにその存在が認められている。町自体がエトルリアの墓の上に建立されたのではと思える程、町の土台部分に墓の入り口のような穴がいくつも見られる。

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高台から見下ろすとその屋根の奏でる美にさらに言葉を失う。

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イタリア全土に渡ってこの町のような文化遺産が宝石のようにちりばめられていることを思うとこの国の底力というものを今更ながら実感する。
ソラーノはまたすでに今年で6回目を迎える現代作家の展覧会”Mostra Annuale d'Arte Il Cortilone di Sorano”を毎年開催している。このような古い岸壁の町にてこのような質の高い現代アートの展覧会を観られるとは思ってもみなかった。これについても席を変えて触れたい。

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一日の旅にしてはあまりにも多くの感激が凝縮した体験。また次回に続きます。
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by jamartetrusco | 2006-08-19 22:52 | Viaggio(旅)
2006年 07月 16日

Populoniaー海の城塞


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Populoniaの城塞。以前のブログでも少し紹介した。丘の上にその城塞の塔がそびえているのがバラッティ湾から遠望できる。
エトルリアの街で唯一海に直接面して建立され、もともとエトルリアの中心地であるヴォルテッラに配属していたが、その後製鉄や港として独立繁栄する。
城壁は中世に海賊から防衛するために建てられた。その後城塞は15世紀初頭に強化され、18世紀に改修され今の姿に至っている。 ポプロニアが有名なのはなんといってもエトルリア時代のネクロポリス(古墳)がその周囲で発掘されていることである。

昨日は土曜日、お昼をすませてバラッティ湾にいつものように出かけたが駐車場が混雑していて止める場所がない。それではポプロニアを散歩してから戻ろう、ということになって容赦なしのギラギラの炎天下、丘の頂上へと向かう。
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車で数分、頂上から見下ろす大海原、絶景である。それにしても、体からなにからまわりがすべてが解けそうな暑さである。
そして城壁内の街はまだ午後早いので開いているのはレストラン、Lucomoneのみ。エトルリア人の彫像を象った店の看板がいかにも可愛らしい。
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お昼のメニューはcozze(からす貝)のアンティパスト、3.5ユーロ、アサリスパゲッティが6ユーロなどと、比較的手頃な価格。今度食べに来てみよう。
夜はもっと高くなるそうな。そして個人コレクションを集めたエトルリア美術館もある。
教会は修復中であったが、真っ白でどこかギリシャ風。
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ネクロポリスの遺跡も近くに見えるのだが、この暑さではとても古墳巡りという気にならないので、これは次回に見送ることにする。
街をぶらっと一回りしてから、バラッティ湾に戻り再度駐車場を回ったらちょうど出る人がいた。
バラッティ湾で唯一無料駐車場なので、空を見つけるは週末はなかなか大変なのである。
これもエトルリアの守り神のおかげ、ありがとう!
Grazie, Dio Etrusco!!


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by jamartetrusco | 2006-07-16 18:16 | Viaggio(旅)
2006年 07月 15日

日暮れ時のSuvereto

日暮れ時の散歩。空気がまだ暑さを残しているが、日差しがすでに優しい色合いになってきている。海でのひとときの後、潮っぽいまま訪れる中世の街への散策。未だ街はひっそりしている。海では日が暮れる頃から人々がじょじょに外に現れる。それまでは太陽だけがその唯一の「主」である。小さな丘の街には必ず古い教会と広場がある。
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この街の教会、Pieve di San Giustoは典型的ロマネスク様式。リボルノ県のロマネスク建築物としては一番重要なものらしい。
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正面入り口の上のライオンと顔の装飾が印象的だ。ロマネスク様式独特の人間サイズの威圧的でない建築。石の肌合いがそのまま生かされている。素朴な信仰心が礎で、まだ権力や支配力の顕示がない。私が一番好きな建築様式だ。ぷらぷらと広場へと向かう。まだ太陽の熱気がしみ込んだ石造りの建物を抜けて上っていくところにある広場。大きな椰子の木が目印である。この広場、前回訪れたときにもかわいい猫達がいた。今回は?暑さに弱い猫たち、ベンチの下にて気持ち良さそうに昼寝の真最中。

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娘が撫でてもまったく動く気配なし。そしてふたりの親方が昔の水車を修復していた。川のせせらぎのところに置いて水車として使われていたという。時が止まったような静かな空間。光と空気が暑さの頂点からすーっと夕闇に向けて姿をかえていく前の一番美しいひとときである。

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by jamartetrusco | 2006-07-15 17:37 | Viaggio(旅)
2006年 07月 12日

London Zoo

再びロンドンへ。
London Zoo-ロンドン動物園は世界初の研究機能を完備した動物園です。もともと動物学のための研究機関として19世紀初頭に設立されたZoological Society of London (ZSL)の監督下におかれていましたが、1847年には一般公開されました。19世紀の初めというのは動物学に限らず、すべての自然を対称とした研究、そしてそれを博物館として公開する、という重要な時期だったようです。爬虫類館(1849年)、水族館(1853年)、昆虫館(1881年)の開館はすべて世界初なのですから、ロンドン・ズーの歴史の古さがわかります。
今回のロンドン滞在でもちろん動物園訪問は外せません。最終日絶好の動物園日より(暑くも寒くもない、外を歩くにぴったり)で3人とロンドンの北へ。Camden Town駅から歩くのが一番近いらしいですが、なんとなくSt John's Wood駅と思い込んでいたのは失策。行けども行けども着かずで娘は「いつになったら着くのー」と騒ぎ出すし。Regent Parkという公園の北側に位置するのです。帰りはすぐ近くからバスが出ているのでそれでシャーロック・ホームズにて有名なBaker Street駅に戻りました。地下鉄内の壁のタイル張りに納得。
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動物園内で、私が一番好きだったのは爬虫類館、昆虫館、そして水族館。屋外にて散歩する感じで色々な動物に出会うのは子供達にとって最高の楽しみですが、マニアックにじっと観ながら楽しむには屋内展示のこの3館です。

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爬虫類館の蛇や大トカゲには改めて感激。こういう質感の生き物が実際に目の前に動くのを見ると圧倒されます。水族館は最近日本各地でも開館されている大水族館の規模などには比べ物になりませんが、なんとなく昔ながらの水族館の趣きでそれなりに面白かった。
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特に気に入ったのはcardinal fishとくらげ。cardinalは司祭のことですから、色彩が司祭の着る衣に似ているからでしょう。夏の季節に涼しげな色合いです。
くらげは実に美しく、超現実的な生き物と思います。f0097102_15102963.jpg

そして動物はアフリカのゾーンが面白かった。
キリンとシマウマはその肢体と模様がやはり目を奪います。そして初めて見るオカピ。以前書をつま弾く、そして歌うのブログのcalligraphyさんがオカピについて書かれていて、あっこれがあのオカピか、と感慨あらた。 ちょうどキリンとシマウマを半々にしたような、そしてつぶらな瞳のどこか哀愁のある愛らしい動物でした。



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by jamartetrusco | 2006-07-12 15:24 | Viaggio(旅)
2006年 07月 09日

Bluetooth様々—そしてPagliaioー干し草の山

夏、海に滞在する1ヶ月、常なる悩みはネット接続のことでした。私の仕事は大半がメイル通信に負うことが多く、自分のコンピューターがないともうお手上げ状態になってしまいます。今までは近くのインターネットポイントに毎日、2回程通ってメイルをチエック、ただ日本語では受信送信できないのでローマ字表記にての通信となり苦労に絶えませんでした。しかしついに今年の夏はこの悩み解決! 去年やっとMac OSXをコンピューターに入れたおかげで、wireless Bluetoothが使えるようになったのです。Bluetooth機能がついている携帯電話を2年前の夏休暇のために買ってあったのですが、そのときはMac9しかなく結局使えませんでした。今回はOSXがあるのでばっちり、Bluetooth同士繋げれば電話機なしでもネット接続可能。そしてイタリアでは夏期の特別オファーで、一ヶ月間ネット接続が週日は夕方5時から朝9時まで、週末は24時間、使い放題で合わせて25ユーロという大変お手頃価格のサービスがあるのです。もちろんブロードバンドでないため接続には時間がかかり、あまり大きな画像などダウンロードしたりできませんが、それでも私にとっては奇跡的改良。このおかげで仕事の通信の心配はなくなり、そして今年から始めたブログの更新もできる、というわけです。ただし使えるキャパシティーは9ギガということで、これってどのぐらい使えるのか私には見当がつかないのですが、お分かりの方おられますか? Windows使用の方はもっと様々な便利な機能があると思うので、あまり参考にならないと思いますが、一応ひとつのネット接続解決法として一筆した次第です。

画像は近頃ではほとんどみられなくなった干し草の山、pagliaio。
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19世紀のイタリア印象派にあたるマッキャオーリ運動を代表する画家ファットーリの田舎の風景などに登場するものです。モネの絵にもあったようです。
最近は機械で筒型に束ねるこれ(↓)が主流となっています。
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このpagliaioは棒を軸に、少しずつ周りから干し草をけずりながら家畜のえさにするのです(喩えが変ですが、シシケバブの削ぎ落としに似ていませんか?)。だんだんとこのような(↓)筒型に変わって行きます。
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昔のイタリアのお百姓さんの姿が想い浮かびます。



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by jamartetrusco | 2006-07-09 04:44 | Viaggio(旅)
2006年 07月 08日

Bibbona—エトルリア的ピッツェリア

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Bibbona—ビッボーナー高台にそびえる小さなボルゴ。通称エトルリア海岸線の中でも、私の中ではひときわエトルリア文明の香りを秘めている街。エトルリア古墳の上に築かれたようにも見える。トスカーナやウンブリア地方の古い街は高台にそびえているものが多くcentro storico(古中心街)は高台の上に、そして時代とともにその周囲の低地に後世の街が追加発展していることがほとんどである。大規模な街としてはシエナやペルージアなどその代表である。このエトルリア海岸線にも例外にもれず小規模ながらそのような街が点々としている。ビッボーナを始め、カスタニェート・カルドゥッチ、カンピリア・マリッティマ、スヴェレート、などなど、どれも海を遠方にパノラマ展望でき、同時に古い美しい街並みの魅力で海での休暇の合間にだれもが一度は訪れたい散歩旅程である。

ビッボーナの上下に迷路のように巡る石畳の通りは昼も夕もひっそりとしている。住民はどこにいるのかと思うほど。観光客向けのおみあげ店もなく、街の高台のcentroにあるのはOsteria1軒、Enoteca1軒、そしてPizzeria1軒のみである。Comune(市長のおわすひとつの市)として存在しているとは言え、規模の小さい街であるから、ということもある。しかしどこか昔ながらの趣きを地元の人たちが頑固に守っているのではとも思える。エトルリアの子孫としての誇りか。この街はいつも訪れるとほっとする。いつまでも変わらぬ美しさを保つ安心感。

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そして海の休暇にくるとき必ず食べにくるピッツェリア、Orto Etrusco。名前も象徴的に「エトルリアの野菜壇」。初めて訪れたときは小さな庭にほんの少しだけテーブルを置いたお父さん、娘さん、そのボーイフレンド3人の家族経営の炭火焼ピッツァ屋であった。人件費節約のためお客さんにも少々働いてもらう。学食のように、まずテーブルに着くと自分で紙マットとナプキンを取りに行く。ナイフ・フォークの類は存在しない。各テーブルには番号を書いた木の札がおいてある。注文は取りに来てくれるが、その後はこの番号を呼ばれたときにお客さんが窓口まで注文品を取りに行くのである。“Numero Uno!” (一番さん!)と言われば飲み物を取りに行く。そして少し待ってまた番号を呼ばれるとピッツァを取りに行くというわけである。そして経費節約もあって安い。開店当初はリラであったためより安く感じたが、今でもどんなピッツァ屋よりも安い。そして家族ぐるみの経営なので親しみもわく。お父さんであり、たぶん店主であるおじさんはいつもほろ酔い加減でお勘定計算の役目。アレとエトルリア魂の気骨で意気投合して以来、夏に数回しか行かないのに大変歓迎してくれる。アレ、東洋人の妻、ひとり娘のコンビも覚えやすいのであろう。昨晩も今年初めて食べにいった。期待にはずれず美味しくpizzaもvino rossoも頂いた。締めのグラッパはサービス。最後のお勘定は間違ったのでは、というほど安かった。エトルリア人同士兄弟愛かしら。

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by jamartetrusco | 2006-07-08 04:53 | Viaggio(旅)
2006年 07月 04日

ロンドン科学博物館ー発明の母

引き続きロンドンの話題。先日の自然史博物館に隣接して科学博物館、Science Museumがある。もちろん無料。ここを訪れるのは恥ずかしながらロンドン在住の時代も含めて初めてである。科学という課題があまり興味の範疇でなかったから、というに過ぎない。ところが今回訪れてみて、その面白さに驚いてしまった。今まで来なかった自らに反省。科学という膨大なテーマが括っているのは、まずは人間の現代に至るまでの発明種々。車、飛行機、各種機械、電気、海洋術、宇宙船、戦争機器、時計、羅針盤、農業技術、医療技術、家庭機器などなど、考え得る限りの人間の発明史が網羅されている。それ以外に自然の恵みからくる様々なマティリアル、素材を子供達に理解しやすいように実際に触ったり、実験したり、とい方法で楽しく説明を提供している。また旧館に接続してできた新館ではより最近のテクノロジーや特殊映像を見ることができる。また人間の男性、女性たる性質、恐怖症、DNAの話題にも触れる階もある。ここのコーナーも英語がわかれば問答、ゲーム式の実験ができて大変面白い。
さらに過去には「ロード・オブ・ザ・リングズ」の映画の特殊効果に関する展覧会やピクセル・アニメの技術についての展覧会なども開催された。新館ではサメや宇宙の3Dフィルムも(これは入場料をとるが)見ることもできる。
というわけで子供から大人まで十分に楽しめる博物館。とても半日では見たりない大きさである。
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この中で特に私の興味を惹いたのは、家庭機器の展示コーナー。やはり家事にかかわる主婦の精神構造からか。発明当初から現在に至る様々な家庭用品の発明推移が実物のオブジェでわかるので、単刀直入の理解が得られる。
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水洗便器、アイロン、洗濯機、冷蔵庫、ストーブ、掃除機、ドライアー、ミシンなど昔の姿がことさらに面白い。掃除機など昔はふたりがかりで操作する、大変労力のいる産物だったようだ。ひとりが空気を送り込む吹いごのようなものを足で「えいこらえいこら」と押すのである。これはまさに絨毯文化の発明品と言える。日本の家屋であれば箒とぞうきんがけのほうがこれよりよほど楽に違いない。テレビ、ラジオ、オーディオ機器はなじみがありことさらびっくりするフォルムはない。
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もうひとつ面白かったのは鍵、錠前の発明推移。エジプト時代から錠前は存在していたのである。木でできており、かなり大きなロック。木のパズルのようでその作りたるや驚く程精巧である。
そして「素材」コーナーでは現在の家屋にて使用されるあらゆるマティリアルが展示されている。100以上の素材からできた巨大なオブジェはなかなか芸術的であつた。



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by jamartetrusco | 2006-07-04 05:07 | Viaggio(旅)
2006年 07月 03日

London Eye

今日は海からロンドンに戻って、London Eyeのこと。
London Eyeは2000年のミレニアムを記念して建設された観覧車。

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実は生まれて観覧車なるもの乗ったことがなかったのです。
「幸せって何かな?」のブログのreihappyさんが横浜の名所の観覧車を紹介されており、乗ってみたいなーと思っていました。
いままでロンドンでは美術館以外の観光地には行ったことがないのです。東京生まれで東京タワーに上ったことがないのと同じです。ロンドン塔ちかくのロンドン・ダンジョン、エリザベス女王所蔵の世界一大きいダイアモンドもまだ見たことがありません。というわけでこのロンドンの観覧車もいつになったら行くこやら、と思っていたのです。ところが、思いがけず今回娘のおかげ、そして娘の友達が「絶対にロンドン・アイに行きたい」と言ってくれたおかげで、乗る経験を得ることなりました。どんなに待つかと思いきや乗車券を買うのと待ち時間と合わせて30分ぐらいで済んだのでまずまず。観覧車というのは乗るときに止まるわけではないのですね。ゆっくりと乗車口に来た時に、あなた達何名ですか、それではここに乗ってください、と指図され、ささっと乗り込むわけです。

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乗ったらもうこっちのもの。じょじょに上へ上へと上がっていきます。ロンドンの風景が360度、目の前に広がるのですから、やはり感慨無量。
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下の人たちが小さい蟻ん子のようになっていく。ビッグベンことウェストミンスターの国会議事堂は見間違うことのない建築物。遠目に見ても素敵です。

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頂点に立つ満足感を味わってからまた下に下がっていく。所要時間約30分。結構楽しめました。でもこれが最初で最後の乗車でしようね。

さて我が拙ブログを訪れてくださる読者の皆様、そしてわたしが毎日拝読させて頂いているブロガーの方々、海におります1ヶ月間、携帯電話よりの接続のためなかなかネット接続が難しい状況です。というわけで拙ブログ更新に精一杯の状況です。どうぞご容赦くださいませ。
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by jamartetrusco | 2006-07-03 04:14 | Viaggio(旅)