トスカーナ 「進行中」 In Corso d'Opera

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カテゴリ:Arte di Ale(アレのアート)( 107 )


2006年 04月 14日

アレの収集品 その2 木片たち

アレの収集品をもう一つ ー 木片の群。

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その中には海辺や野原で拾ったままの姿のものもあれば、彼がのみを使って小さな人物や顔に仕上げたものもあります。モザイクのように水槽に入れてひとつの不思議な塊となりました。瓶詰めになった生物の標本のようなどことなく得体の知れない物体。よく目をこらすと色々な木の形がつまっています。 自然と作為の混じったひとつの表現。

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別名 “Scatola Magica" 「魔法の箱」。













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by jamartetrusco | 2006-04-14 00:06 | Arte di Ale(アレのアート)
2006年 04月 13日

アレの収集品  その1 小石たち

アレの収集品には拾ってみつけたものから、自然の木片、大小さまざまな筆、日本やイタリアのラジオから録音した幅広い音楽カセットーワールドミュージックからオペラから日本の民謡から、とにかくジャンルを問わず彼の感性に合ったものーまで色々あり、それぞれが彼の心と頭の一部を表すものです。

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その中で特に多いのは海辺で拾った小石たちです。ここ何年も、海に行く度に二人でなんとなく集めてきたもの, 今では箱いっぱいのコレクション。トスカーナの海岸は岩場と砂場が混ざり合った変化の多い海岸線ですが、海辺のそれぞれに違った色合いの砂や小石が見られます。
よく見ると人間の顔のようなものまで、色も肌合いも一様に。アレのインスピレーションの源になる小石たちです。

砂もそれぞれの海岸のものを少し持ち帰り、膠と合わせて絵のメディア(媒介)として使います。砂に限らず土も重要な素材です。トスカーナ地方の土は色も多様で、住んでいるそばは石がごろごろ混じった灰色にちかい色の土。少し行くと黄色っぽい色の土。シエナの近辺は赤っぽい土もあります。これらはすべてそのまま顔料になっていくのです。ひとつづつ瓶に入れて大事に保管されています。

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by jamartetrusco | 2006-04-13 00:03 | Arte di Ale(アレのアート)
2006年 04月 10日

デッサンの面白さ

作家の制作の中で、一番直感的で、直接的で生(き)のままなのはデッサンです。頭から出てきた着想がそのまま手を通して紙面上に残されるのです。

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アレは例えばあまり気乗りのしない電話のときとか, お酒を飲みながらTVを観ているときとか、片手に紙のブロックを置いてサラサラとデッサンをしたためているのです。

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このデッサンは常に展開したいと思っているアイデアや表現の源で、それがすべて最終的な作品になるとは限りませんが、彼の想像力を最も端的に映して出していることは確かです。

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このデッサンの他に彼はイタリアでよく食物を包んだり、トラットリアなどのテーブルマットとして使われる黄紙をドローイングのために使います。この紙は油ののりが良いので油彩で描くのに非常に良い感じの肌合いを出してくれるのです。

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それともちろんこの紙は安価に手にはいるのでどんどんドローイングを描くのに惜しげがないということも重要な利点です。あまり高価な紙を使うと失敗しないようにと、表現がぎこちなくなってしまうようです。もちろん良質の紙を使用できることにこしたことはありませんが、でも売れっ子になってもやはりこんな素朴な紙を使いたいと思う作家かもしれません。






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by jamartetrusco | 2006-04-10 02:16 | Arte di Ale(アレのアート)
2006年 04月 03日

アレの彫刻 その2 Teste di Cipresso 

私たちのテラスから下に降りる庭には杉の木がたくさん植えてあり、大家さんが3人の子供が生まれたたびに植えたと言うことですが、今年はそのいくつかが伐採されてしまいました。数年前にも壁付近に植えてあった杉が成長し過ぎて壁を崩してしまい、切らざるをないことになりました。今年は大家さんの大決心で家に向かってのび過ぎた松の木とありすぎる杉の木のいくつかを切り倒しました。今まであった木が切り倒されるというのは本当に辛い思いでしたが、その木はアレによって第2の生命を与えられることになります。

 松の木があったところに植木鉢を置きました。

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最初に倒された杉は数年前に“Teste di Cipresso" 「杉の頭」の彫刻として生まれ変わりました。
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外皮を削っていくにつれスタジオが杉の芳香に満ちていきます。杉はもともと軽いですが、1年ほど置いておくと木もかわいてきてかなり軽くなります。

今年不幸にも切られてしまった松の木や杉の木も現在乾かしているところ。切ってすぐに彫ってみたのですが、やはりあまりにも湿っていて彫りにくく、また乾くうちに割れてくる恐れもあるのでもう少し待つらしい。 次にどんな生命を与えられて生まれ変わるのか楽しみにしています。

オリーブの木 "Mano" 「手」
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  松の木 ” Testa" 「頭部」
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by jamartetrusco | 2006-04-03 00:21 | Arte di Ale(アレのアート)
2006年 03月 29日

Aleの彫刻 Grilli たち

アレのエトルリア・ルーツへの憧憬はすでに前回のブログにて少し触れましたが、ここでは
彼のもうひとつのインスピレーションである”Grilli"について話そうと思います。

”Grillo"はイタリア語では辞書の一般的意味としては虫の「こおろぎ」に該当します。でも
彼の意図する”Grillo"は頭でっかちで、頭のすぐ下に足がついているようなグロテスクな
形体の生き物(人間のような獣のような)のことです。もともとはフラマン派の画家ヒエロニムス・ボッシュ(1450年頃〜1516年)の絵に出てくる不可思議な生き物のことを指した名称に由来します。


ボッシュの下絵(オックスフォード、アシュモリアン美術館)
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ロマネスク、ゴシック建築などの屋根の先端につけられた”gargoyle"や中世、ルネッサンスにしばしば描かれた"grotesco" 「グロテスク」のデザインなどに皆共通する、奇怪な生き物たちです。
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アレにとって、彼らはとても魅力的なもの、どこか人間の奥深く潜む真実を表すような
魑魅魍魎(ちみもうりょう)とした存在。エトルリアの神々にもつながっていくのです。


トスカーナの人々のなんとなく毒をふくんだような洒脱なユーモアと知恵はどこかこんなところに根ざしているのではと。


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私の大好きなアレの「グリリ」たち。

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by jamartetrusco | 2006-03-29 18:31 | Arte di Ale(アレのアート)
2006年 03月 25日

2005年の日本での展覧会

2005年、フィレンツェと京都の姉妹都市40周年記念のイベントが京都にて数多く開催されました。目玉展覧会は京都市美術館にて開催された「フィレンツェー芸術都市の誕生」展です。
その一環として6月、京都のイタリア文化会館にて京都の作家、神道知子さんとアレッサンドロ・ヌティーニ(主人)の2人展が開かれました。招待を受けたのはその前の年の春、それから制作やら準備やらに追われましたが、とにかく無事に夏休みを利用して3ヶ月間、夏の京都に帰っていました。
会館とともにこの企画を手伝ってくださったのは京都にあるMori Yu Galleryとミホ・プロジェクト。京都の民家の中に現代アートの画廊を経営する他、現代イタリア・アートの様々な表現や食文化をダイナミックに日本に紹介する一方、京都からの世界への発信も試まれています。
この展覧会には最近3年あまりの仕事を紹介しました。展覧会のタイトルは「大地と大気」
"Terra e Aria", 彼は「大地」を、神道さんは「大気」を象徴する、という館長さんのアイディアに基づきました。 
彼の最近の関心はトスカーナに古くからある石壁や海岸でひろう小石、石畳、木梁など誰も気に留めないが歴史を内包するような「物」を扱うことです。一つのテーマでシリーズ作品を制作するのが常です。また実際のトスカーナのあちこちから採集し土や砂を混ぜ込んで自らカンバスの色を作りだします。


イタリア文化会館内、アレの作品と神道さんの作品の展示風景

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その後7月、東京のニューオータニホテル内のギャラリー「小さな美術館」にて、8月には京都のHouse of Artにて2回の展覧会開催の機会を与えていただきました。


今年はトスカーナの地元にて展覧会を企画したいと思っています。
またその時はご案内します。



東京展、京都展の作品前のアレ

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by jamartetrusco | 2006-03-25 20:08 | Arte di Ale(アレのアート)
2006年 03月 23日

エトルリア魂

アレの作家としての原点は彼の精神のよりどころとなるエトルリア・ルーツのようです。
エトルリア文明は紀元前8世紀から4世紀に興隆したローマ帝国以前の大文明です。現在のトスカーナ、ウンブリア地方がその中心です。最終的にはローマ帝国に併合されてしまいますが、かれらの持つ鉄や建築の技術がローマ帝国の後の繁栄に繋がっているとも言えます。エトルリア人がどこから来たのか未だ解明されていませんが(一説には小アジア、またはロシアの方面など)、独自の文字と宗教を持ち、死後を重んじるエジプトと同じく古墳のような墓や人物を象った棺など残っており、現在でもその神秘性をうかがい知ることができます。


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アレ曰く、このエトルリアのルーツはトスカーナの土地、文化に脈々と生きており、バッカスの神をたたえ、肝臓(fegato)にて運命を占うエトルリアのSacerdote(神坐のようなもの)の根源が自分の中にも感じられるようです。カトリックの教会が建っている場所の下にはそのようなエトルリアの神殿があったというのです。15世紀に開花するフィレンツェのルネッサンス文化もそのようなルーツがあったからこそ、生まれたものだそうです。確かにカトリック精神に被われた中世から、それ以前の太陽神を讃える古代ギリシャの再生を目指したルネサッンスの興隆という背景にはエトルリアの魂が流れているに違いありません。 



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私が初めて会った頃のアレッサンドロの絵画は主にエトルリアを主題としたものが多く、そのほとんどは象徴的な人物像を扱っていました。その後私との出会いにより日本の文化にも触れ日本を何回も訪れることにより、表現言語がかなり変わってきたようです。エトルリアの神秘性が創作の源泉になっていることは今でもかわりませんが、表現がより抽象化してきました。
今では、エトルリア人物そのものを表すのでなく、この土地にいつからか存在する石壁や土、石、砂など目に見えているがそれ自体がかなり「本質的」なものを主題にしています。

「見えるもの」と「見えざるもの」の融合と言えるような表現です。



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by jamartetrusco | 2006-03-23 19:10 | Arte di Ale(アレのアート)