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2009年 07月 31日

ヴェネチアの古橋

暑いまっさかりの7月にヴェンチアを訪れるのは初めてである。
友人達とビエンナーレと以前記事にした"In-Finitum"展を見るためだ。
しかしそれにもましてヴェネチアという世界唯一稀な美しい街を訪れる
ことの喜び。
何回来てもどんな季節に来てもこの街のその類い稀なる美しさに心を
揺さぶられる。
ラグーナに浮かぶ夢のような儚さを持つ街。
ヴェネチアの歴史的な偉大と建築美。観光客のごったがえすサン・マルコ広場を
一筋裏に入るだけで人気のなくなるその不思議な静けさ。この静けさは
近代の産物である車の不在から来る。車やオートバイなどの騒音に慣れた日常は
遥か彼方のものとなる。
すべてが水上を通しての生活。
この街で唯一らんかんのない古い橋、Ponte Chiodoの近くに宿をとった。
文字通りChiodo 釘のような橋。
ヴェネチアの魂はこんな小さな橋にも宿る。

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by jamartetrusco | 2009-07-31 16:41 | Viaggio(旅)
2009年 07月 18日

Volterranaーヴォルテッラへの道

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ヴォルテッラから海へと向かう風景はシエナから南下するVal D'Orciaの風景と並んで
トスカーナで最も美しい地域と思う。
私たちの住むキャンティ地方も葡萄畑とオリーブ畑、糸杉の混ざり合う美しい風景では
あるのだが、慣れてしまった目にとって色が単一である。緑の濃淡が変わるぐらいで
インパクトのある色彩が不在である。土地も広大なる広がりがなく、どこかこじんまりしている。
それに比べてVolterranaーヴォルテッラへの道ーの周囲は何度通ってもその季節ごとの
色と土地と緑の起伏ある調和と対象の美に感動するのである。
海に日帰りでいった先日、再び目にしたのはひまわりの黄色、粘度質の灰褐色、濃い緑、
薄緑、空のブルー、これらはイタリアの色と言えようか。
ヴォルテッラがエトルリア人の大事な根拠であったことが納得できる立地条件と自然の雄大さ。
車もほとんど通らない海からの暑い風の吹き抜ける道を走りながら、この自然を凝縮してイメージに捉えることは可能なのだろうか、と考えた。
現在アレが黙々と試みていることである。


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by jamartetrusco | 2009-07-18 21:25 | Natura (自然)
2009年 07月 11日

虫との戦い

夏本格的になる7月にこの集落モンテフィオラーレに居ることは近年稀である。
日本に帰京かもしくは海辺の街に安い貸家を探して1ヶ月過ごすのが恒例である。
よく考えてみたらここに移り住んで7月にここに残っているのは娘を妊娠していた
97年だけかもしれない。
だからこんなに大変な虫との戦いがあるとは夢にも思わなかった。
そして未だに正体不明。
まず疑い深いのは木食い虫であるイタリア語名、tarloの寄生虫であるacaro del tarlo と言う名の白くて肉眼では見ることない虫。tarloを食べて生きる虫らしい。tarloを食べてくれるのは全く問題ないのだが、この虫は人間も襲うのである。以前から5月、6月頃に体中にぶつぶつと虫さされが出て、蚊とは違った毒性のある数日続くかゆみがあり、往生することが多々あった。しかし大体の場合海にいったり日本にいったりして戻った頃には忘れている。たぶんこの頃に寿命がきたり、活動しなくなったり、理由はわからない。
ところが今年は6月頭に2週間ほど家を開けていたせいか、戻ってからすぐにこの虫さされが
始まった。そしてあれよあれよと毎日のように起床すると何カ所にもさされている、猛烈に
かゆい。いったい原因はなんだろう、とアレとインターネットであれやこれや調べているうちに我々と同様の問題に悩まされている他のイタリアの人々のフォーラムにでくわした。
朝起きると全身に虫さされがありなんだか不明、どうやって対処したものか、というものばかり。
そしてわかったのはこのacari dei tarliの存在。木食い虫の存在するところに必ずありきという虫。我が家には木の梁から木の家具からたくさんあり、最近ますます木食い虫が増えているのに気づいていた。故にこの寄生虫がいることは間違いない。さてはこやつが犯人か。
しかしいろいろ調べているとこればかりか、ベッドやマットレスに住み着くいわゆる、
なんきんむし、やらミツバチの小型版のような虫sclerodermaなどの可能性もある。
中世から建っている田舎の古い家に住めばこのような虫に出くわすのは不思議はないであろうが、それにしても毎日のように虫さされに悩まされるのは気分よくない。
かといって住んでいる家で害虫退治の毒をまくわけにもいかない。
あきらめて共存するしかないのかも。
結論として7月は日本に帰京するか海に逃げることか。
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by jamartetrusco | 2009-07-11 16:41 | Vita (人生)
2009年 07月 06日

艶かし動物達

まだまだフランスの話題。
パリはルーブル美術館やポンピドー・センター、オルセー美術館、ピカソ美術館、諸々美術館が
あまりにも豊富で短期滞在時には訪れる美術館が常に限られていたのだが、今回のやや余裕のある
滞在のおかげで思いがけない素晴らしい博物館を訪れる機会を得た。特に娘のおかげでもある。
絵画などあまり興味のない年齢にて行きたいところは限られている。
長年知ったパリの街で一度も足を踏み入れたことのなかったのがこの自然史博物館
Jardin des Plantesという植物園の中にある。植物園にはこの他に恐竜などの骨や化石などがある別館や温室、動物園など数々の興味があるのだが、時間がなくて中心となるこの自然史博物館だけみた。
博物館自体の建物はさほど大きくないので展示品の数は限られているが、館の収蔵品は世界有数のロンドンやシカゴの自然史博物館の規模に並ぶという。
しかし、である。この博物館のユニークなのはとりわけ剥製の動物の展示である。博物学的な、学術的な展示でない。説明はあまりない。ただビジュアルに強烈なのである。頭脳ではなく視覚に訴えてくる展示。あっと驚くような動物の生々しい姿。ガラス越しでない、目の前に現れる動物達。まるで怒濤のごとき足踏みまで聞こえてくるかのような。艶かしいという表現は当たっていないかもしれないが、しかしsensual、妖艶なのである。
これはフランス独特の展示では? フランス以外あり得ないのでは?
なによりも美を愛する国民性と我々は他国と違うのだ、という誇りをそこに感じるのである。
剥製になった動物もどこか堂々と誇らしげに我々に語りかけてくるように思えた。

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by jamartetrusco | 2009-07-06 05:13 | Paese (土地柄)
2009年 07月 02日

道具博物館

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トロワの街は大聖堂を含める4〜5つの教会建築があるので有名であるが、もうひとつ
この街を訪れたら必見の博物館。Maison de l'Outil、その名も道具の館。
絵画や美術品の美術館ばかり見ていた眼には驚く程新鮮で力強い収蔵品の群れに圧倒される。
まさに道具の「群れ」なのである。
16世紀に建てられた建物の中に収まっているのは10,000以上の古くからある人間の
歴史と営みに関わる生活道具の数々である。1958年から始められたポール・フェラーとう信教者の道具コレクションを母胎にしている17世紀から19世紀にかけての眼を見張るばかりの数の道具。フランスの職人芸とその道具を後世に知らしめ、保護していこうという意図で集められたもの。道具だけだなく、道具を作るための道具もある。

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ありとあらゆる形のオブジェとしても美しい形体の変遷。
中にはもちろん現在でも使用されているものも多々ある。
展示もユニークで、まるで水族館の中の魚や動きのある生き物のように道具達は活き活きと
その姿を見せてくれる。
存在だけで語ってくれる無作為の美、用のための美の力をそこに見た。


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by jamartetrusco | 2009-07-02 05:42 | Paese (土地柄)