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2011年 12月 30日

暗闇に光

人間は本質的に暗闇が好きである。
そして暗闇を灯す光に憧憬を抱く。
真っ暗な洞窟や穴蔵とか、太古、人を含めて
すべての生き物が住処としていたような囲われた
暗がりに安心感を覚える。そして暗闇の先にある
光を求める。

ジョン・マーティンという英国の19世紀の幻想ロマンティック風景画家が
残した17世紀のジョン・ミルトンが著した叙情詩「失楽園」のメゾティントの
挿絵本がある。
その中のひとつ、Bridge over chaosー混沌にかかる橋。
まさにミルトンの格言の一節そのままのようだ。

「私たちに与えられた光は、ただじっとそれを見つめているためではなく、
それによってまだ私たちから隠されているところの、遠い先のものを開けて
見るために、与えられているのだ。 」

ロンドンにて見たジョン・マーティンの絵画を一同にまとめた展覧会。
Tate Britainにて開催中。
キッチュ寸前のパノラミックな風景歴史画。
「黙示録」の中の天地が上下に転倒するかのような混沌。

多くある展示作品の中でとりわけ惹かれたのがこの小さなメゾティントの
白黒の挿絵である。私の夢の記憶にあるような風景である。

さて来年は暗闇を抜けて差し込む一筋の光が訪れるのだろうか。

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by jamartetrusco | 2011-12-30 01:34 | Arte (芸術)
2011年 12月 24日

Buon Natale

Buon Natale 2011

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by jamartetrusco | 2011-12-24 17:14 | Paese (土地柄)
2011年 12月 23日

クリスマス目前にて思う

クリスマス前学校が今日でいよいよ終了。とは言えこのところ父兄面接とか来年からの高等教育の学校
見学など頭を悩ますことが続くこのごろ。娘が来年の6月までで中学を卒業、いよいよその先を考えなくてはいけない時期となった。あまりの時の早さに親は戸惑うばかり。下の街グレーベには中学までのみ、その後はフィレンツェへ通うことになる。

イタリアの教育制度は日本とはやや異なる。まず小学校が5年、その後は中高一貫校として中学校が3年、続いて高校に当るのが5年間という2段階に分かれる。義務教育は5年の内、初めの2年まで。
つい最近解散したベルルスコーニ内閣時に、教育大臣ジェルミーニ女史の行った国費削減のための教育改革は反対派や学生によるデモを引き起こし論議を醸したが、法律は可決され、2010年より新たな制度が始まったばかりである。
高校の5年間はかなり専門的な教育体系になってくる。いわゆる専門学校的なものから、一般教育を主体にそれぞれの特色のあるものまでかなり細かく分かれていく。まず大学を目指したい人のためのリチェオという名前の学校はクラシコ(ラテン語の他にギリシャ語も学ぶ)、理数系のためのシエンティフィコ、第3外国語まで学べるリングィスティコ、音楽のミュジカーレ、人間科学を学ぶシエンツァ・ウマーナ、美術実践のアルティスティコの5種類。専門学校のほうはイスティトゥート・テクニコとプロフェッショナーレの2分類があり、その中にさらにかなり細分化された学部が構成される。マーケティング、観光業、電気技師、農業、科学、輸送業、コミュニケーション、ファッション、グラフィック、環境学などゆうに15項目以上あり、良く言えばすでに14、5歳にして将来の設計を建てるかのようなオブションが開かれる、悪く言えば何もわからないうちに選べざるを得ない状況となる。

この12月、1月と適した学校を見極めるための学校公開説明会に当るオープン・デーが続く。娘はすでにイタリア語以外に日本語も話すぐらいであるから語学への興味があり、外国語を多く学べるリチェオ・リングィスティコを選ぶ方向で考えている。先週と今週の週末に対象学校のオープン・デーがあり見学に行った。とは言えどの学校が良いか決めるのは難である。学校が家からそんなに遠くないこ、というのも我が家の場合大切なポイントである。なにしろフィレンツェ市内に行くには定期バスにて1時間かかるという田舎に住んでいるので致し方なし。通学が一時間以上となるとあまり好ましくない。グレーベの街から定期バスが学校まで連れて行ってくれる通学時間も30〜40分ですむフィレンツェ近郊のリチェオ・リングィスティコに娘はほぼ決心しているし、彼女が行きたい学校に行くのが一番とは思うが、しかし本心から言うとフィレンツェ出身の父親、外国人である母親の娘であるので私はフィレンツェの学校に通ってほしいな、と思うところはあるのだが。
いつまで郊外と田舎の往復では、年齢が進むに連れて飽きるのではとも思う。大したことはないにせよフィレンツェはまだ動きがあり人も多い都会であるから。

学校は開始が8:05から4時間の日と5時間の日の週6日。お昼は帰宅後というやや不可思議なシステムであるのはイタリアの労働組合の取り決めで教員が午後働くという契約がないためである。要するに昔からある
システムで時代に合う合わないに関わらず存続している制度であろう。市の公務員も以前は14:00でおしまいだったが今では午後も開いている窓口ができた。なのに学校はなぜ?と思うのだが。
イタリアという国の問題はシステムの不機能に対する変革の不可能さが初めも終わりもない蛇のように社会すべてをとぐろで巻き、にっちもさっちもいかない状況であると言える。そのため人々は「仕方がない」と言いながら暮らしているような気がする。そういう状況に対処するに必要なのは誠実、公平というよりは狡猾さ、不正というような社会。 そういうところはイタリアの問題。

教育に関しては幼稚園、小学校が一番質が高く、上がるにつれてお粗末になる、と言っていた父兄がいた。なんとなく納得するところもある。

いずれは娘はイタリアから飛び出してもらいたいと思う親心である。
ただイタリアで大変有り難いのは教科書代を除いて学費がかからないこと。そして私立公立の質の違いという
問題がほぼ皆無であること。ほとんどの生徒は公立学校に行くし、質の違いもあまりない、というのが現状。
あまり経済的な余裕のない我が家のようなケースには有り難いの一言。

教育と医療は経済的事情に関係なく受けることができるというイタリアの制度は文句はたくさんあるけれどまだまだ「腐っても鯛」と言えるだろうか。

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by jamartetrusco | 2011-12-23 01:16 | Vita (人生)
2011年 12月 18日

猫失踪第2弾

モモの失踪事件があったが先月末に向けて今度はメス猫のマヤが失踪。
こちらは仕事で忙しくて出張で1週間留守にすることもあり、その前に
見つかればと思っていたが毎日外を見てもいない。
出発の前日夕暮れ時のやや人気がおさまったころ集落を回っていたら
マヤに違いない猫が座っている。
見つかった!と喜びで一杯で抱えて家に帰ろうとしたが、途中で車が
通ったり、人が通ったりと、ただでさえやや臆病な猫であるので腕から
もがいて逃げてしまった。なだめて呼ぶものの一向に来る気配がない。
そのうち薮の後ろに消えてしまった。
意気消沈して帰ってきたが、少なくともどこかで元気にしているという
ことでひとまずそれだけでも良かったと娘ともども慰めあう。
1週間仕事で居ない間も雨模様の日が続いたりで探すこともできずに
過ぎた。
帰ってからも時間があれば夕方探しに散歩するものの、全く姿は見当たらない。
誰かの家に行ってしまったのかな、とほぼ諦めて3週間の日々が経った。

ところがおとといの朝、6時ぐらいに目がさめて起きてみると、雄猫のモモと
ともに出入り口の穴からもう一匹似たようの猫が入ってきたではないか。
そうしたらなんとマヤだった。3週間の不在の後突然と出現した。
少し細くなったようであるが、元気な姿で。
モモも嬉しそうである。マヤも通常になくニャーニャーと叫ぶ。
今までどこにいたのか。またどうやって戻ってきたのか。モモが連れ戻したのか。
すべては謎のまま。
ただ母猫であるミヌーが急に戻ってきたさまよえる娘猫を歓迎していないのが
その唸り声でわかる。
2匹だけのテリトリーにまたもう一匹加わったのが気に入らないらしい。自分の
子供であることももう忘れているのかもしれない。違う匂いがついたのか。

今のところ3匹の調和はまだ戻っていないが、ひとまずクリスマス前に失踪事件が
解決して良かった。


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by jamartetrusco | 2011-12-18 01:29 | Vita (人生)
2011年 12月 11日

空の上から

ここのところ猛烈に忙しく、投稿している時間がないのが現実である。
仕事で何回空を飛んだことか。
ちょうど夕暮れ時の美しい時間に飛ぶ機会を得た。
ピサからロンドンに着く瞬間。
まだ午後の4時だというのにすでに日が暮れてくる一瞬である。
ピサーロンドン、ロンドンーアムステルダム、朝から家を出て
目的地のアムステルダムに着くのは夜の8時。
一体この一日はなんなんだろう。
何もしないまま空港にて待つ時間、またさまざまな人々の渦、
嫌な思いもしながらやっと辿り着くアムステルダムのホテル。
この疲労のみの一日にて唯一意味のあったのはこの美しい空の
光景だけであった。
人間の営みとは何だろう。
自然によって癒されるというのが生きているということだろうか。

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by jamartetrusco | 2011-12-11 05:44 | Vita (人生)