トスカーナ 「進行中」 In Corso d'Opera

jamarte.exblog.jp
ブログトップ

<   2013年 05月 ( 2 )   > この月の画像一覧


2013年 05月 28日

心を新たに

今年の5月はいったいなんだろう。友人が訪れていた最初の2週間ぐらいは時々初夏のような
良い日和があったが、このところの悪天候には辟易である。
5月は年によってはすでに30度なんて言う日が続いてテラスで夕食をとるのが普通であるのに
今年はもう5月末だと言うのに気温はまるで3月。良い天気は一日ほどしか続かず、やっと
晴れたと思うと雲がもやもや、雨、そして風が強く肌寒い日々がずっと続く。
春も良くなかったのでこのまま夏なんてくるのかな、という感じである。
天気が気になるのは歳をとった証拠と言うけれど。

2013年はイタリアの政治がやや変わるかな、という期待のもとに始まり、それも全くの
夢の夢という今の政権。左派の党やインテリの御仁などが今まで悪の権化のように非難してきた
ベルルスコーニ元首相の率いるPDL党と共産主義の慣れの果てであるPD党との連立政権である今の
イタリア。自分達の護身からかなんだかわからないけれど、結経現状を覆されるのを恐れて
既存の政党をなにがなんでも維持しようとするマフィアの集団と思える。全くなにも変わらない
イタリア。
この数ヶ月すっかり振り回されてきたがもうどうでも良い。結局「政治家」とも呼びたくない「政治や」の集団はそういうものなのだろう。
グリッロの率いる純粋に改革を志す新参者達には太刀打ちできない強靭な「政治や」の壁を感じる。

アレも私もイタリアが少しでも良い方向に変わるかな、と期待しながら過ごしてきたこの数ヶ月
だったので、すっかり幻滅して、でももう心をそちらに向けずに行こうという気分になり、数ヶ月の
空白な時間を取り戻そうという気になっている。

大阪での今年の夏の個展に向けて、2012年の作品群を見返してみるとなんと多くの作品を
制作したのだろう。
いよいよ展覧会のための作品選び、タイトル、画像、実践的な諸々を決めていかなかればならない。

雨上がりに太陽が少しだけさしてダブルの虹となった、いつも虹が発生する位置が決まっている。
そこには何か宝があるというイタリアの言い伝え。彼方の丘の麓には何があるのだろう。
エトルリアの神殿の跡かもしれない。


f0097102_16434275.jpg

[PR]

by jamartetrusco | 2013-05-28 16:44 | Vita (人生)
2013年 05月 11日

セルジョの工房

f0097102_3563756.jpg


2005年アレが京都フィレンツェの姉妹都市提携40周年記念のため京都にて
京都の作家の友人と2人展を開催したときに知り合ったN氏。広義のデザイナー。
ひとつの感性を拠点として様々に自身の生活、生き方などのデザインを展開していく
方である。
旅とデザインというテーマで世界のあちこちに旅をしながらその都度の体験と
見たもの、感じたものを集約して制作した作品を展覧会としてまとめておられる。

突然にトスカーナの焼き物の町で絵付けの制作をしたいのだけれど、と連絡が
あったのは4月頭ぐらいだっただろうか。
同じ大きさのお皿に滞在中の10日ぐらいの間に絵付けをしたい、どこか良い
工房を探してもらえないか、という連絡。
私は焼き物に関わりがないわけではないが、イタリアの、またトスカーナの焼き物
工房にはあまり通じておらず、さてどうしたものか。まずは焼き物の町である
モンテルーポ、またはテラコッタの赤煉瓦で有名なインプルネータ、その辺りの
工房をあたるしかない、と思いながら、知っているところをあたってもそういった
受け入れはあまりしていない、というところばかり。
さて困った、と思っていたら、アレが以前仕事場をともにしたマヨルカ焼きの
制作工場を経営するリッチェリ氏を思い出した。さっそく連絡してもらったが
彼のところは無理、しかし従兄弟は個人工房なのでもしかするとできるかもしれない、
と連絡先を教えてもらった。ちょうど良いことに我が家からも遠くないインプルネータ。
インプルネータはほとんど外に置く釉薬なしのテラコッタの壷や花壇用の鉢植えなどで
釉薬の色づけをするお皿などを制作しているところはなかなかない中でこの従兄弟さんの
セルジョは唯一のそういった食器も制作する工房ということ。
なんと幸運なことか。そして訪れてみたら、いかにも職人気質、作家の心意気のある
感性豊かなご主人とわかった。
快く日本からの友人を受け入れてくれると言う。

そして今週の水曜日から制作開始。その前に下準備で素焼きの皿を20枚すでに轆轤で
ひいて作っておいてくれた。
初夏の日差しの強いこの2日間。N氏はセルジョとの気もあったのだろう、そして工房の
静かで集中できる環境のおかげか、予定していたよりずっと短期間でお皿の絵付けを
終えられた。

作る者同士の暗黙の了解、感性の類似、言葉を超えた心の通い合いというものをつくづく
感じた。

大阪で夏に展示される予定のお皿達。
来週セルジョが再度窯に入れ、新たなる色に変貌して生まれあがる。

セルジョとN氏との協力のもとに生まれた作品が日本へと旅発つのは間近である。
10,000キロの距離を超えたふたつの文化から生まれた作品。
久々に心躍る嬉しい体験である。

f0097102_3565223.jpg

[PR]

by jamartetrusco | 2013-05-11 03:54 | Vita (人生)