2009年 02月 17日
旧東ドイツ側のベルリンのユダヤ人街にあるArthaus Tacheles。もともと1907年に建てられたショッピングモールの入り口に位置するデパートであったが1928年に倒産、その後AEGによりその製品のショールームとして使われた。しかし第2次大戦中にはナチ党運営拠点となり、1943〜45年の爆撃にて一部破壊されたが、半分廃墟のような姿にて存続。1989年ベルリンの壁倒壊後、取り壊しが考えらたが、ちょうどその頃から国内外の前衛アーティスト、ボヘミアン達が占拠し始める。今では世界から数多くのアーティストにスタジオを提供し、建物の設備の一部であったコンサートホールも活用され様々な前衛プロジェクトなどが繰り広げられるアートハウスとしてベルリンを訪れる文化人達の名所となっている。ついこの2月13日に19周年目を記念するこのアートハウス。しかしこの地域の状況もこの20年変貌し、建物自体を改装してホテル、アパートなどに改築しようと開発業者と銀行の管轄に渡り、アーティスト達に今年12月末までに立ち退き命令が出された。この記念的建物を渡すものかとアーティスト側もその代弁者を先頭にまだまだ戦う様相である。アーティスト集団に軍配が上がることを望むばかりである。 1989年から20年。 ベルリンの壁崩壊によって大きく変化した世界。冷戦の終焉から生じるエネルギーによって駆り立てられた芸術家達が建物を占拠し、新たな空間を築き上げる。そしてそれがひとつのオーソリティーとなった20年後。グラフィッティだらけの客観的にみても 美しいとは言えないこのアートハウス。このような動きもすでに過去のイデオロギーの なすものかもしれない。 今また世界が転換期に来ている。今度は壁崩壊どころかすべての経済、金融システムが倒壊しようとしている。社会のシステム、人間の生き方自体が変化を余儀なくされる時期にきている。 20年というかなり短い周期であるがどこか象徴的であるこのアートハウスの発祥と運命。 崩壊時に出来うることを実行するアーティストのパワー。今この新たな崩壊時にどうやって集結したら良いのだろう。イタリアのトスカーナの世界の動きとは関係なく存在するようなこの葡萄畑とオリーブ畑の土地にていったい何ができるのだろう。 アーティストの力がこの世界の一部を占領できないものだろうか。 次世代の姿を変えたArthausを作るために。Artist powerを発揮するために。
by jamartetrusco
| 2009-02-17 20:04
| Arte (芸術)
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