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2009年 06月 01日
![]() ロンドンにてすでに6回目を迎える現代工芸フェアCOLLECT。今年は従来のV&A美術館内の会場から新たにSaatchi Galleryの新建物内の会場へと移った。V&A美術館というビクトリア朝を代表する建物内の狭苦しいという批評があった空間から白壁と高天井のWhite cube的展示室での初展示。展示者達の評判はおおむね肯定的。確かにゆったりと作品は見れるし、スタンドのスペースも以前より大きく、観客数が多くてもゆとりがある。 Saatchi Galleryは90年代のデミアン・ハーストに代表されるYoung British Artistの名声を世に広めた貢献者である大コレクターのチャールズ・サーチのコレクションを中心に見せる展示ギャラリーである。それ以外にアートに関係するイベントにも会場を貸すらしい。このギャラリーの通常の展覧会の入場が無料なのは現代アートとデザインのマーケティングに力を入れる大手オークション会社のPhillips de Puryがスポンサーとなっているおかげと聞いた。広告王のサーチとフィリップス、企業と結託した完璧に商業ベースのギャラリーである。売ることが目的のフェアが公の美術館内で行われる事自体が異例のことであったので当然の移行であろう。 Crafts CouncilとV&Aとの契約更新が不可能となった今年のCOLLECTの会場が去年の10月に開館したばかりの新サーチ・ギャラリーに決まったと聞き、さてこの空間にてCOLLECTはどのように変化したのか好奇心を持って訪れた。 参加ギャラリーは以前よりやや少ないが質的にはあまりぶれのない全体にすっきりした展示である。いつもながらジュエリー専門のギャラリーが多いのがやや不満であるが。ただ大きな空間を持て余している感の展示室もあり、参加ギャラリーの数をもうすこし増やしたいというのはクラフツ・カウンシルの望みでもあるに違いない。 イギリス国内のギャラリーを中心に北方ヨーロッパのギャラリーが多いのだが、その中で初めて作品に触れることもあり注目した作家が2名。 ![]() 一人はデンマークのガラス作家Steffen Dam。(Joanna Bird Pottery) そしてオランダの磁器の作家Pauline Wiertz(Terra Delft Gallery)。 もともと道具師であったというDamはガラスを制作する中で気泡が入った失敗に目をつけ 気泡の変わりに海や陸の生き物を内包するまるで博物館の標本のようなガラス作品を作る。 表現がやや利口すぎる危険はあるものの繊細な生き物のようなガラス表現には目をみはる。 一方Wiertzの磁器のオブジェは17世紀オランダの静物画の伝統のエキスを磁器のオブジェを通して具現化したような作品。中国磁器からの影響も感じる。悪趣味に移る一歩手前で留まっている。 いずれの作家の作品も収集家の心をくすぐる珍なる宝石に似て実に奇異で美しい。 ![]()
by jamartetrusco
| 2009-06-01 19:22
| Arte (芸術)
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