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2011年 01月 11日
![]() フィレンツェのQuartiere 3(第3区)に2009年に開館したコンテンポラリー・アートの展覧会場Ex3。 大きな商業センターが隣接して開設されて以来、存在は知ってはいたものの、通っても 開いているのか開いていないかわからないぐらい照明も宣伝もない、ただの建物として目に入る のみであった。 ところが最近になって娘の買いたいものを訪ねてこの商業施設に買い物に行ったおりに、 隣に寄ってみようと思い(今回もまるで閉館しているように中は暗く人気がない)おそるおそる 扉を押したら開いている。 中に入ってみたら一応受け付けのようなところに女性が退屈そうに一人座っているではないか。 展覧会は見れますか、と聞いてみると展覧会案内のボードを手渡してくれた。 開催されていたのはCharles Averyという若手のスコットランド出のイギリスにて活躍する作家 の作品展である。 作品展というよりひとつのテーマに則ったインスタレーション。架空の島を想定してデッサンから 彫刻からなるIslanderという展覧会。カラフルなデザインを施された人物の頭像やら、兎の剥製やら、 未来都市を描いたような都市設計のデッサンのようなものやら。 作品はひとまず置いてまず驚嘆したのはこの展覧会場の空間の大きさである。天井の高さはかなり 巨大な作品でないと貧相に見えてしまうスケールである。展示室も中心となる大空間から隣接した 小部屋までいくつもあり、かなりの大規模なものだ。 こんなスペースがフィレンツェにあったのか、とびっくり。 町自体がルネッサンスの美術館であるかのようなフィレンツェである。古い美術の保存と展示に 忙しく、現代アートとなるとまるで存在しないかのごとしであるこの町にしてはよくこんな展覧会場 を開設したものであると感心した。 第3区は中心からもやや離れており、住宅街でもあるが、商業活動もある程度活発な地域であるものの、 一体誰が見に来るのだろう。私たちが入った日もたまたま見に来ていた関係者の親戚のような 年配の女性がふたりのみ。がらんとした会場は私たちの独占である。 こんな展覧会場がかの大都市にあればもっともっと人が入るに違いない。 もともとコマーシャルギャラリーの経営者だったセルジョ・トッスィ(Sergio Tossi)が監修者。 スポンサーもたくさんついている。経営するのに必須であろう。 このCharles Averyの作品群の中で一点目を惹いたのはキューブのシンプルな建築空間のような モデルが中央に設置され、背後から映写機を通して鳥の動きを写し出してそれが架空のスペース の中を飛ぶというビデオ・インスタレーションだ。説明なしに美しかった。 この会場がこのまま存続していくことを望む。 ![]()
by jamartetrusco
| 2011-01-11 02:51
| Arte (芸術)
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