2011年 07月 12日
ヴェネチアのフォルトゥニー美術館にて企画展‘Tra Edge of Becoming’がアート・ビエンナーレの期間中開催されている。 企画を担当したのは2年前同美術館で開催されたIn-Finitum展と同じくベルギー出身のアクセル氏と 他イタリアの美術関係者含めて4名である。 アクセル氏は一言でどういう仕事をしている人と描写できない。自身の美の追求を生きる糧としている非常に幸運な方である。自身の信じる美的哲学、生活哲学、空間哲学を自分の事業を通して建築、空間、生活環境へ実践させている。その一環としてアートの収集もあり、展覧会の企画もあり、本の出版もあり、そして己の生きる美学を貫くために住まいも仕事の空間もすべて自身で望むように演出できる恐ろしいほどの財力と活力がある方と想像する。単なるアート・ディーラーではく、単なる美術史家でなく、単なるコレクターでなく、単なるインテリア・デザイナー兼建築家でもない。自身がそれぞれの分野の微妙な融合と狭間を生きているようである。 というのも今回のテーマは一言で'Tra'。Traとはイタリア語では「間」を意味する。英語ではin betweenということか。何かと何かの間にある狭間に焦点を合わせている。前回展のテ−マは終わりなき無限そして未完という相反するようで同一の宇宙や美術に潜む無限の可能性について扱った美術展であった。 今回のTra 展覧会紹介サイトに以下のテーマへの言及がある。 Venice as the door between East and West/ 東洋と西洋の間の扉であるベネチア the pilgrimage 心の旅 The theatrical representative dimension 劇的な表象下の次元 The threshold of consciousness, the passage towards imaginary and unconscious 意識への入り口と想像と無意識への道程 The threshold:/the door: fascination with architectural spaces 入り口/扉 建築的空間への投魂 The unseen enegery: the ‘MA’, the void as the pregnant possibility of energy 見えないエネルギー、 「間」、エネルギーの可能性を孕んだ空ろ Edge of Becoming: relates to chaos as the state of infinite becoming, and to becoming as the movement towards a situation. The edge of chaos is the passage of non-existence to life and death. 成ることのぎりぎりの狭間ー成りうる無限性に存在する混沌に関わるもの、ひとつの状況への過程に関わるもの。 混沌へのぎりぎりの狭間は非存在が生と死へ移行する道程にある。 展示される作品は今回も東洋、西洋、現代、過去に限らずすべてが統一した糸により繋がっている。 この展覧会の会場に入ると6月末のぎらぎらした暑い日差しがすーと消えていき、心身ともまるで 瞑想しているかの気分になる。空間、光、闇、作品の選択ーすべてが心の旅へと見る者を導いていくかの ようである。 強烈な美的志向と思考、ひとつの心地よい世界に包まれる。
by jamartetrusco
| 2011-07-12 22:10
| Arte (芸術)
|
アバウト
カレンダー
カテゴリ
Arte di Ale(アレのアート) Arte (芸術) Paese (土地柄) Vita (人生) Natura (自然) Storia (歴史) Viaggio(旅) Libri (本) Cibo (食文化) Cinema (映画) Musica (音楽) 以前の記事
2016年 06月
2016年 03月 2015年 09月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 more... 最新のコメント
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||